ざっくり解説 時々深掘り

女子受けファッションなんか学んでつまらないオトコになるな

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朝早く目が覚めてしまったので、女子受けファッションのサイトを見ていた。全編見ると1時間くらいかかるが、言っていることは比較的シンプルで「失敗するな」というものである。全部読み終わったあたりで長い揺れに襲われた。東北で地震があったようだ。
さて、定番ファッション指南によると、次の三つを守ると失敗しないらしい。

  • 色は基本色のみ(なぜかオリーブっぽいカーキが基本色に入っている)
  • 形は定番のみ
  • ややスリムなシルエットであり腰部を半分だけ隠すような着丈を厳守すること

このサイトを見ていて思ったことはいろいろとある。ディテールが重要だということは参考になった。正解があるかどうかはさておき、数センチの違いで大きな差が出る場合があるらしい。確かに着丈には無頓着だった。恥ずかしいことに、Tシャツの長さがメーカーによって違っているということにも最近気がついた。
ただ、違和感も多い。最初の違和感は「定番シルエット」って国によって違うんだなというものだ。

アメリカでめっちゃ見られている「ファッションの100年史」の最後に最近のアメリカファッションの流行が出てくる。トップスは日本と同じようにタイトだがボトムが違う。特に白人は腿と脛の太さが違うからなのかもしれない。日本人は細い人が多いので定番のボトムも違ってしまうのだろう。しかし「いわゆる日本人の定番」というのは、細身の若者を想定している。だから、30代以降に体ががっちりしてくると、これが必ずしも当てはまらなくなってしまうのだ。20代だと脚は一本の丸い棒に見えるかもしれないが、実際にはそうではないということに気がつくのだ。
さらに定番ファッションの失敗例を見ると、過去のファッションの正解例だったこともわかる。昔はLevi’s 501に代表するような太めのジーンズを腰より上ではいていた。これは現在では(というか見ていたサイトでは)野暮ったくて体型が綺麗に見えないとされている。だから「定番」などというものは実は存在しないのである。
また、女性はファッションを減点方式で見ているということがよく分かる。だから「失敗しない」なのだろう。減点ポイントはいくつもある。

  • シンプルすぎるのは退屈
  • 色や柄が派手だったらダメ
  • アクセサリのつけ方は嫌
  • シャツが少しでもくしゃっとしていたらダメ
  • 私より目立ってはダメ
  • 着丈が少しでも違っていたらダメ
  • 流行を外してはダメ

これが行き着く先って何なんだろうと考えたら、超定番の形ばかりで色もベーシックということになる。これが当てはまるショップが一つだけある。ユニクロだ。
確かに定番を覚えることは重要だと思う。どこに目を向けるべきかということがわかるからである。つまり「着丈というのは重要ですよ」とか「トップスは肩で合わせるんですよ」というようなことを学ぶのは大切だと思うのだが、路上に出る前の講習であって、そのままではみんな同じになってしまう。
だが、実際には余裕がないせいもあって同じような服しか売れていないみたいだ。これではつまらない。欠点はないかもしれないけど、まったく面白みがない人になってしまうと思う。多分、定番ばかり着ていると「減点女子」たちは今度は「大学生みたいで嫌」とか言い出すだろう。
だいたいおしゃれな席で細身の紺無地テーラージャケットだけを着ている30歳以上の男が仲間内から信頼されますか、という話だ。
もし、定番ファッションを真顔で押し付けてくる女がいたら、まったく遊びのないつまらない女だということになる。で、あればそういう人にモテても仕方がないように思える。だから「モテたければモテファッションは忘れろ」ということになるだろう。
最後に、女子が相互に監視し合うと悲惨なことになるんだろうなと思った。定番ファッションだけを押し付けてくる女は、つまりモードなどを知らない女性だということになる。つまり、経験量が少ないから許容範囲が狭く減点も激しくなるということだ。
さらに、みんなが同じようになってしまうので競争の余地がない。にもかかわらず、群れでの優劣をつけなければならない。となると、減点を見つけてゆくしかないわけで、自分は絶対に失敗せず、相手の一挙手一投足にケチをつけることになるだろう。
背景にはリソースの少なさと多様性のなさというものがあると思うのだが「新しいことを発見しない」ということはこうした閉塞感につながるのだろう。