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トランプ大統領が豹変したように見える人向けの解説

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Twitterのタイムラインを見ていると「トランプ大統領は豹変した」という人がいる。行動には明快な論理があると思うのが、意外とわかりにくいと感じる人がいるらしい。
トランプ大統領は選挙運動期間中口汚ない言葉で敵を罵ってきた。オバマ大統領もその中の一人だ。だが、勝利宣言はおとなしいものであり、実際にホワイトハウスでオバマ大統領と接すると態度が変わった。これを「豹変」と考えた人がいたわけだ。
これを説明するのは意外と簡単だ。トランプ候補は目の前にいる聴衆に聞こえの良い事を言っていた。彼らを団結させるのは敵を作るのがよい。敵の存在が身内意識を強めるからである。
だが、大統領になった瞬間に(少なくとも彼にとっては)目の前にいる人はマイピープルになった。オバマ大統領も敵ではなく、彼の先代なのだから同類で同格である。彼の行動原理は溢れるように出てくるとりとめもないアイディアと、マイピープルに対する責任感で成り立っている。責任感が勝ったので発言がおとなしく見えたのだ。
トランプが混乱して見えるのは、この内と外が彼の主観によって決まるからだろう。
日本政府は彼と接する時、やってはいけないこと2つある。まず一つは彼の思いつきに対して決して反対しない事だ。他人から否定されると燃え上がるタイプなので実際にやらせてみて(しかし自分は距離をおく)破綻するのを待つ方がいい。もう一つは決して競争相手にならないことだ。彼にとっては「外」を意味する。それよりも身内であることを協調した方がよいだろう。
「アメリカが世界のリーダーであり続けるのか」という疑問があるわけだが、これも愚問であると言える。もともとアメリカは「理念」を広げる装置だと考えられてきた。それをリードするのがアメリカなのである。安倍首相がロボットのように繰り返す「価値観を共有している」というのはそういうことである。が、アメリカのいう自由と民主主義というのはキリスト教的価値観のことなので日本人は決してそこには入れないわけだが、理念なので違和感がなかったわけである。
しかし、トランプが重視するのは合理性と家族意識なので、世界のリーダーであるというのは家長であるということだ。トランプ大統領はアメリカを慕ってくる国のリーダーでありたいと考えるだろう。つまり、アメリカが世界のリーダーでありたいという政策は維持されるかもしれないということだ。
ここから先は調べてみるとわかると思うのだが、彼にとって家族とは事業の共同体のようなもののようである。最初の妻とは離婚したが、妻は事業を始め、別の金持ちと結婚した。離婚の理由は浮気だったそうである。彼は二回の離婚歴がある。
だが、子供達は手元に残り事業を手伝っている。誰が身内であるかということは「自分にとって役に立つか」ということで決まっているのではないかと考えられる。つまり価値観を共有するという事はそれなりの貢献が求められるわけで、それを「自分の金・他人の金」などと分けてはならないという事になる。
だが、誰を家族にするかというのはトランプ大統領次第なので、貢献した挙句捨てられたということも多いに考えられる。