憲法の規定に従い新しい総理大臣を決める特別国会が11日に招集される。事前協議が混乱しており、議長・委員長・会期などが全く決まっていない。
ただ、話し合いの内容を聞くとそもそもこの混乱こそがあるべき国会運営の姿なのではないかという気もする。選挙の結果、有権者が望む与野党伯仲状態の結果がこの「混乱」なのだ。
議論の中に「選挙によって委員長を決めざるを得ない」とする声が聞かれる。なぜ今までそうしてこなかったのだろう?と思う。
特にこれまで選挙に行かなかった20代・30代の有権者たちが引き続き政治に関心を持ってくれれば「選挙に関心を持つとこれだけ国会運営に変化が生じるのか」と実感することができるのではと感じる。
国会の開催は11日に決まった。ところがそれ以降のスケジュールが全く決まっていないそうだ。時事通信の「首相指名、日程決まらず 野党攻勢、国会運営様変わり」は次にように書いている。
まず会期が決まらない。自民党はできるだけ具体的な議論をやりたくないが野党は具体的な議論を行い自民党の後ろ向きな姿勢を浮き彫りにしたい。このため4日で議会を閉じたいとする自民党に野党が反発している。予算委員会や政治倫理審査会を開き積極的に自民党をグリル(=炙っていじめること)したいと考えているようだ。
委員長ポストも折り合っていない。常任委員会は17あるそうだが、野党は議運と予算委員会のポストを含めた8ポストを要求する構え。
さらに、議長人事すら決まっていない。議長は支配政党から出すのが慣例だが今回は支配政党がない。自民党は比較第一党が議長になるべきとして額賀福志郎氏の続投を求めるが野党は最後まで抵抗する構え。
ただしこれを混乱と呼んでいいのかについては疑問もある。
まずすべての委員会で与党が過半数を維持できなかったという。つまり野党だけで談合すれば自民党と公明党を完全に委員長ポストから締め出すことができてしまう。
6日に開かれた衆院議院運営委員会に代わる各派協議会では、常任委員会の委員数の割り振りが決まり、全ての委員会で与党が過半数に達しなかった。
衆院委員長配分、折り合わず 与野党、国会会期も決まらず
このため野党は「すべての委員長選出を選挙でやってもいいんだぞ」と恫喝しているのだがよく考えてみれば「きちんと候補者に表明をさせたうえで透明な選挙をやった」ほうが有権者にとっては納得感がある国会運営になる。
立憲民主党の青柳陽一郎衆院議員は記者団に、野党側が衆院の過半数を占めていることを踏まえ「全く話にならない。協議が調わないのであれば、(常任委員長の選出を)全部選挙でやっていく」と語った。
衆院委員長配分、折り合わず 与野党、国会会期も決まらず
つまり、そもそもこれまでの国会運営が与野党間談合による不自然な運営だった可能性がある。世論が正しく反映されるなら必要な時間を取ってもらったほうが良いのではないかと思う。衆議院は理論上4年間の任期がある。最初にきちんと話し合いの環境を整えたほうがあとの審議を効率的に進められるのではないか。
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