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イスラエルに報復を誓うイラン ただし具体的な言及はなし

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イランのハメネイ師がイスラエルへの報復を示唆した。しかし具体的な行動について言及しなかった。アメリカ大統領選挙を控え中東情勢も「次の大統領待ち」の状態に入っている。イランは「報復の連鎖で疲弊する」か「対イスラエル運動の盟主」の地位を失うかという難しい状況に直面しているとBBCは分析している。

これは結果的にイランに核兵器開発のインセンティブを与える。外交的解決は難しくなり日本の護憲・改憲に分かれた膠着した政治運動の前提が崩れる。

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アメリカ大統領選挙までカウントダウン状態に入った。イスラエルは周辺の攻撃を止めていないが外交的には「凪」の状態に入っている。そんな中ハメネイ師はイスラエルへの報復を示唆した。

見出しだけを見ると確かに勇ましい発言なのだが特に具体的なことが書かれているわけではない。

この状況についてBBCは次のように分析している。

イランはこれまで本土への直接攻撃を避けるために周辺国の「抵抗の枢軸」を使った攻撃をおこなってきた。しかしこれがイスラエルによって封じられようとしている。

このためハメネイ師には弾道ミサイルによる報復か報復の応酬を辞めるという選択肢しか残されていない。報復を選べばアメリカに支援されたイスラエルの攻撃によりイランは弱体化するが、報復を止めてしまうと地域への影響力が削がれるという究極の二択である。ハメネイ師は「よりマシな方」を選ぶ必要があるがどちらも難しい選択だ。

現在、イランもイスラエルもアメリカの大統領選挙待ちになっている。トランプ大統領が登場すればイランに対する核施設・石油施設・ガス施設に対する攻撃が容認されるかもしれない。一方で大統領選挙の「待ち」時間はイランに外交的根回しの時間を与える。

イランは核爆弾による問題解決を望んでいないと否定してきたが敵を抑止する新しい手段を必要としていることは確かだ。状況によっては弾道ミサイルの核弾頭の開発がイランの次の課題になるかもしれない。


アメリカ合衆国の支援により当面はイスラエルが勝利するだろうが、それはイランを追い詰め「核爆弾という究極の選択」をもたらすかもしれないという分析になっている。

アメリカもNATOもウクライナを完全救出することができない。それはロシアが核兵器を持っているからである。これは朝鮮民主主義人民共和国も同様だ。北朝鮮の核兵器開発を阻止することはできず今やアメリカ本土に到達するICBMの開発も完成段階に入ったとされている。

つまり一度ウクライナの戦争のような状態が起きるとそれは解決しないまま積み上がってゆくということになる。ちなみにイスラエルも核兵器を所有していると見られる。中東の国々が中東戦争を引き起こした地域の厄介者であるイスラエルを消滅させることができないのはそのためである。

もちろん「軍事力よりも外交力」なのは当たり前なのだが、国際情勢を見ているとそんなことも言っていられない状況になっている。さらに「核兵器こそが国際的な均衡をかろうじて守る」という「核による平和」が現実のものとなりつつある。それは「一旦発動したら滅びが待っている」ことを前提とした平和だ。

こうなると日本人としては「アメリカの強い軍事力に頼って守ってもらうべきである」と考えたくなる。

仮にハリス氏が新しい大統領になれば自民党を中心とする今の人脈は生かされるかもしれない。第一期トランプ政権にうんざりした共和党の安全保障関係者がハリス支持を打ち出している。しかし第二期トランプ政権が誕生すれば日本は新しい人脈をいちから再構築しなければならない。さらに厄介なことに「国際同盟の維持」に対する懐疑論が広がっているためそもそも同盟の維持を前提とした話し合いが成り立たなくなる可能性もある。

つまり今の日本にある護憲・改憲対立という構造が全く役に立たなくなってしまう可能性もあるということだ。護憲派が前提とした国連中心主義・外交中心主義は成り立たなくなる。そればかりか「滅びを前提にしてかろうじて守られる平和」な社会が到来する。とはいえ、日米同盟も日本の期待通りには機能しない。経済的には「関税」が武器化され自由な通商も制限される中で日本は国益をどう守れるかの難しい選択を迫られることになるだろう。

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