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世耕弘成氏らの自民党会派入りにブーイング

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Xを見ると「世耕弘成氏らが自民党入り」というニュースに大ブーイングが起きていた。よく読むと「自民党会派入り」であって自民党に復党するという話ではない。猫の手も借りたいところだろうから世耕弘成氏くらい良いのではないかという気もするのだが不思議なことに気がついた。世耕弘成氏以外は自民党を離党してない。にも関わらず「会派入り」なのだ。

これって大丈夫なのか?と感じる。

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今回、会派入りする人は6名だそうだ。世耕弘成氏(すでに離党済)西村康稔氏・萩生田光一氏・平沢勝栄氏(離党はしておらず自民党員だが自民党所属ではないということになる)三反園訓氏・広瀬建氏である。

三反園さんは「テレビ朝日の政治部の人(確か)」という記憶があったのだが、広瀬さんって誰?と思ったので調べてみた。前の県知事さんの御子息なのだそうだ。この選挙区で衛藤征士郎さんを破っている。もともと大分県は社会党が強かったと記憶している。旧1区は村山総理の地盤だった。今回2区では社民党副党首だった吉川元さんは比例復活だったが衛藤征士郎さんは「裏金議員」として落選した。ただし公認権を失ったわけではないために「自民党」議員として登録されている。

和歌山2区において世耕弘成さんは二階幹事長の御子息を破って当選している。このため森山裕幹事長は「残念ながら復党はありませんな」と選挙期間中に語っていた。確かに自民党への復党はないのだろうが、会派入りさせるのであれば実質自民党ということになる。和歌山県連で二階家を応援している人はさぞかし怒っているのではないかと思った。

となると三反園さんの選挙区が気になる。実は自民党の保岡宏武さんを破っているそうだ。安岡さんは保岡興治氏の御子息。病気を理由に引退した父親の地盤を引き継ぐべく鹿児島1区から立候補したが立憲の川内博史さんに敗れた。その後は比例に周り(つまり地盤を他の人に明け渡した)二区から出馬したが三反園さんに負けてしまった。選挙区が変わったせいなのかもともと選挙に弱かったのかはわからないが結果的に比例復活もできなかったようだ。ちなみに地盤を明け渡した一区でも川内さんが勝利し自民党候補(宮路さん)は比例復活だった。三区は小里さん(現役の農水大臣)が立憲民主党の候補に負けた。現職大事が負けるのは「よほどのこと」だ。鹿児島県は森山裕幹事長の選挙区以外では全敗している。つまり森山さんは自民党全体どころが鹿児島県も掌握できていなかったということだ。

ネットにいる人達が森山幹事長に怒ったり呆れたりするのは当然だ。そもそもなぜ非公認にしたのかがよくわからなくなっている。「温情」と主張して2000万円を送りつけて世間を呆れさせたばかりでなく「復党はない」としながらも舌の根も乾かないうちに会派入りを決めている。こういう話は下ネゴにとどめて「頃合いを見て」発表すべきだが、おそらくそうした腹芸ができない人なのだろう。

嘘がつけないという意味では良い人なのかもしれないが幹事長には向いていない。

各選挙区の事情を見ると「今後県連との関係は大丈夫なのか?」という気がするが、そんな小さなことにはかまっていられないほど追い詰められているのだろう。

なおこうした混乱は維新でも起きている。

自民党はまず国民民主党の取り込みを図っている。当初、組織票に期待する自民党は維新のような水物政党は相手にしないのだろうと思っていた。だが、最近の状況を見るとそもそも誰と話をしていいかわからない状況になっているようだ。

大局観がない馬場代表に元オーナーの橋下徹氏が苛立っている。馬場代表を「旧来型の飲み食い政治家」と決めつけ連日Xなどで攻撃を行っていた。このときに吉村府知事の発言を引用しており大阪組からの反発が大きいようだ。

今回「馬場おろし」報道が出てきたが、出元は意外な人たちだった。ネイトウ(NATO)で知られる浅田均氏と猪瀬直樹氏が「裸の王様だ」「すぐに辞めろ」と息巻いているようである。ネイトウ発言で実は浅田さんは意外とアメリカでの経験が長いと知られるようになった。猪瀬さんも「武闘派インテリ」である。乱暴なように見えても実は知識人という人たちが馬場さんに反感を持っていたことがわかる。

連合は立憲民主党と国民民主党支持に分かれている。実情はかなり複雑なようだが敢えて単純化すると「公共系労働組合=地方自治体と教員」対「産業系」労働組合という対立構造があるようだ。産業系はエネルギー政策では自民党と距離が近く共産党が嫌いである。一方の公共系は護憲が背景にあるため運動を盛り上げるためならば共産党との協力も厭わないという人達がいる。もともと労働組合の政治的立ち位置が安定せずそこに無党派層が巻き込まれているという構図になる。

その意味では自民党の地方組織のゆらぎも、維新の内紛も、立憲・国民のゴタゴタにも「とりあえず様々な人々の支援を求めてアメーバのように触手を伸ばしてきた」という共通事情があることがわかる。様々なものを飲み込んでいる間に自分たちが何者かがわからなくなりつつあるのかも知れない。

いろいろなものを飲み込んだ単細胞生物が最終的にどうなるかはよくわからないがお腹を壊すか同じところをくるくると回り続けるのではないかという気がする。

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