極めて短い記事で恐縮だが「給料は払えません」の船井電機倒産問題に新しい進展があったようだ。従業員たちが事前通告なく「あなた達はクビですサヨウナラ」と言われた事案だったが、実はその前に資金が流出し続けていたという。共同を素直に読むと「資金流出を止めるために破産申請した」とも読み取れるが結果的に蚊帳の外に置かれた従業員たちは当てにしていた給料ももらえずそのまま路頭に迷うこととなった。ハローワークが積極支援に乗り出したという情報もある。
船井電機が倒産した。地元テレビの報道を見ると従業員たちは半ばあきらめ顔で「ついに来る時が来た」と覚悟を決めたようだ。大した抵抗運動は起きていなかったが、それでも給料は払えませんというタイトルにはインパクトがある。25日のニュースなので「給料日に言われたんだなあ」と感じたのを記憶している。
もともと日本のオーディオ産業はアナログ的に処理される音や映像からどれだけノイズを除去できるかが重要だったという記事を読んだ。信号がデジタル処理されるようになるとノイズ除去が必要なくなり「職人技」が必要なくなった。差別化要因が変わったことで日本のAV産業が競争力を失ったという分析だった。
この分析に信憑性がどの程度あるのかがわからないので引用はしないがこれは内燃型から電気駆動に変わることで職人技が必要なくなりつつある自動車産業と同じ衰退過程である。「なるほどなあ」という気はする。
職人技の需要がなくなりつつあり日本人の優れた特性が活かしにくくなっている。
船井電機の倒産については「有料ウェブサイト」でスキャンダルの噂がでていた。クリック数稼ぎなのかそれとも信憑性がある情報なのかがわからない。会社が買われた途端に「良くない筋の人達」が紛れ込み崩壊が早まったというのである。
「どうせ噂だからなあ」などと思っていたのだがNHKと共同が今回の件について報じているのを見つけた。
NHKは破産申請を先に書いて次に資金流出について書いている。単なる事実関係を書いただけなのかも知れないが「買収した脱毛サロン」などといやに具体的な書きぶりだ。
裁判所への申し立てによりますと、業績の低迷を受けて2021年に出版などを手がける東京の会社の傘下となりましたが、関連会社への多額の貸し付けや買収した脱毛サロンなどを運営する会社への資金支援などによって、およそ300億円が流出したとしています。
破産手続き開始の船井電機 関連会社に多額貸し付けで資金流失(NHK)
一方の共同はまず資金流出を書いてから企業としての破産が(何らかの理由で困難だったため)取締役が独断で準破産申告をしたと順番が入れ替わっている。つまり資金流出と簿外債務を本筋のニュースとして扱っている。
経営破綻した船井電機(大阪府大東市)を巡り、2021年に出版社に買収されて以降、約300億円が流出していたことが30日、関係者への取材で分かった。破産申請時点で117億円超の債務超過に陥っているほか、33億円の簿外債務の存在も判明した。
船井電機、300億円が流出 21年の出版社による買収後(共同)
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