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【番外編】2024年衆議院総選挙の首版指名の組み合わせ

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番外編としてそれぞれの党首が嘘をついていない前提でどの様な組み合わせが考えられるかについて考察する。

もちろん「そんな事はありえない」とは思うのだが自民党が政権を維持したいなら石破茂氏が首班を放棄するのが最も確実だ。

ただ、このような「面白おかしい」予想が的中する可能性はそれほど高くない。「田崎史郎氏は野党連携の機運がないため国民民主党と維新が閣外協力の形で自公政権を支えると見ているそうだ。結局決められない今の政治がダラダラと続くがこれが最も可能性が高いシナリオなのだろう。

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前提条件

政治家は嘘をつくと思うので、これが覆る可能性は高いが「まずは嘘をつかずに多数派ができる」シナリオを考えてみたい。

  • 自民党は体制を変えない=石破総裁・森山幹事長体制(誰も想定していないため、首班指名で石破氏を選ぶとは誰も言っていないし質問も出ていない)
  • 国民民主党は首班指名で玉木雄一郎以外の名前を書かない
  • 維新は自民党とも立憲民主党とも連携しない(国民民主党と連携しないとは言っていない)
  • 立憲民主党は協力政党を探す(協力政党に自民党が入らないとは言っていない)
  • 過半数は233

読売新聞によれば「石破総理は政権維持を目指す」とは言っているが「首班=総理大臣を目指す」とは言っていない。

自民党と公明党が協力して玉木雄一郎氏が首班になる

この場合、自民党と公明党が国民民主党を首班にすると191+28+24=243という組み合わせが作られる。ここに維新が加わると281議席が獲得できる。

  • 自民党は体制を変えないが石破総理を放棄(誰も想定していないので可能性に言及する人も質問する人もいない)すれば政権に残ることができる。
  • 国民民主党は嘘をついていない。
  • 維新も(解釈次第では)嘘をついていない。

国民民主党と争った自民党の地方組織が離反する可能性があるが今回の躍進は比例中心なので離反者はさほど多くないはずだ。ただここに維新が加わると関西で維新と争っていた公明党が離反する可能性がある。

自民党と公明党が協力して野田佳彦氏が首班になる

ここで自民党と公明党が野田佳彦氏を首班に指名すると玉木雄一郎氏が「立憲民主党と書かない」が障壁になる。191+24+148で363議席が獲得できる。維新は立憲が首班になる政権には参加しないのだからこれで確定する。

立憲民主党と争った自民党の地方組織が離反する可能性がある。国民民主党と比べるとインパクトは大きそうだ。

前回同じことが起きたときには……

自民党は過去に首班を社会党に譲ったことがあった。このときには河野洋平総裁(当時野党だった)が副総理格の「臨時代理」となり村山総理を支えた。社会党は細川政権に協力したものの羽田政権が成立する直前に小沢一郎らの社会党外しに反発して政権を離脱した。羽田政権は当初の数時間は組閣ができず「1名内閣」だった。この機会を捉えた河野洋平氏が羽田政権に不信任決議を突きつけ社会党に花を持たせる形で自民・社会・さきがけによる政権を作ったのだった。羽田政権は64日しか持たなかった。

しかしながら村山政権は自民党に合わせて自衛隊の違憲論は唱えないことにした。このため既存の支持者たちが社会党を離反し社会党凋落の要因となった。仮に国民民主党と維新が自民党と政権を作った場合は次の参議院選挙で国民民主党と維新が凋落する可能性が高いということになる。

ただ、こうしたサプライズが起きるためには前段階として「敵陣営」の政権運営が揉めているという時間的猶予が必要になる。羽田政権の場合は小沢一郎という嫌われ者がいて状況が混乱していた。結果的にこの64日間が「自民党の工作期間」になっている。自民党の内部で社会党工作のための組織が作られて個人的な人脈を通じて政権転覆の打診があったものと見られているようだ。Wikipediaには梶山静六氏を中心にした参謀本部が作られたなどと書かれている。

今回は30日以内に首班指名を行わなければならないという時間的制約がある。また自民党の中にも独自の動きができる参謀や豊富な人脈を持った人がいないという事情がある。このため田崎史郎さんが言うように「少数与党+閣外協力」が最も可能性が高いということになる。ただし参議院選挙を念頭に置いて政権に近づきすぎると有権者の支持を失いかねないという事情があり協力は限定的なものにになりそうだ。

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