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非公認候補にも一律2000万円 自民党に新しい政治とカネの問題が浮上

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衆議院議員選挙がいよいよ終盤戦に差し掛かっている。政策報道が滞る中「自公過半数が危うい」と情勢調査が変化している。国民の懲罰感情が高まると投票を迷っていた無党派層が投票に参加する可能性がある。

ぼんやりとそんなことを考えていたところ赤旗が新しいスキャンダルを発掘してきた。この2000万円じたいは領収書のあるお金なので裏金ではない。だがその後の説明がまずかった。森山裕幹事長はわざと自民党を大敗に導きたいのではと疑ってしまうほどのひどい言い訳だ。

市場ではトランプ大統領の再選を予想する人が増えておりアベノミクスからの脱却も難しいだろうと言われる。このためドル円市場は一時153円をつけたそうだ。

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きっかけはしんぶん赤旗の調査報道だった。直後からXのタイムラインは大いに盛り上がっていた。だが所詮は党派性の高い共産党の機関誌だ。それほどのインパクトはないだろうと感じた。「裏金裏金」と騒いでいるが領収書があり事務所も受け取りを認めている。「裏金の定義ってなんなんだろう」とさえ感じる。

だが次第に事態はおかしな方向に流れてゆく。毎日新聞が取材をしこれが事実だとわかった。その後の時事通信の報道では「党幹部」が森山幹事長であるとわかった。本人が声明を出したからだ。つまり森山氏本人は説明したつもりになっている。

彼が言っていることは要するに言葉遊びである。

  • 選挙期間中に振り込んだが選挙費用ではなく党勢拡大のための活動費用だ。
  • 個人に振り込んだわけではなく支部に振り込んだ。
  • 非公認の人には公認していないのだからこれは公認費ではない。

国民は裏金そのものに怒っているというよりは真摯な反省がなく言葉遊びで言い逃れをしようとする岸田自民党の姿勢にイラついている。同じ調子で政策も誤魔化しかねないという気持ちがあるためだろう。総理大臣は石破茂氏に代わったがこの言い逃れ体質が森山氏に引き継がれている。そして主語は「非公認議員」でも「森山氏」でもなく「自民党」と認知されている。

これまでは選挙がなく「法律に違反しないのだから最終的に追い詰めることができない」状態だった。だが、現在はそうではない。選挙期間真っ最中でその気になれば野党候補を支援して自民党議員を落とすことができる。おそらく今回の一件で自民党の態度に最も怒っているのは真面目に自民党を支えてきた市井の人々だろう。

森山幹事長は選挙費用党勢拡大をどのように使い分けているのだろうか。それがわかる報道があった。

党の支部長が選挙に出なかった選挙区がある。この選挙区でも「比例の積み増し運動をやってください」という名目で2000万円が支給されているそうだ。つまり「自分の選挙のために使う」か「他の候補者の支援活動に使いか」という違いのようだ。

だが、国民の常識で考えれば「どちらも誰かの選挙活動」である。森山氏はこれでなんとかなると思っているようだ。もしかすると外に出て有権者と話をしていないのでは?と思えるような感覚の鈍さだ。

共同通信は有権者の声を拾っている。「呆れた」と憤る人もいるが「自民党はかなり焦っているのだろう」と客観的に情勢を判断する人もいる。

なお市場は「自公連立政権が政権を失うことはないだろう」と見ているようだ。ただし薄氷を踏むような勝利で「お金で有権者をつなぎとめるしかない」のではないかと予想されている。また労働組合を背景に持つ国民民主党が政権に参加するとますますリベラル色が強まるのではないかと見る人もいるという。故に「アベノミクスからの脱却」は難しく金融政策正常化は遅れるだろうという見立てになっている。

なおこれとは別の動きとしてトランプ氏の再選の可能性が高まってきた。トランプ氏が大統領になるとインフレが予想される。このためアメリカの金利は上昇傾向でなのだそうだ。この2つが合成され「円安」が進行している。

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