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トルコの防衛産業でテロと見られる攻撃 詳細は不明

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トルコのアンカラ近くの防衛産業でテロと見られる攻撃があった。REUTERSによると詳細はわかっていない。自爆攻撃があったとされており(REUTERSは確認していない)カギ括弧付きで「テロ」と表現されている。

CNNやアルジャジーラも同様の報道だ。ターゲットになった企業は航空・防衛産業だという。トルコは「バイラクタル無人機」に代表される航空機を製造していて輸入産業の柱になっている。アルジャジーラは輸出の80%と言っている。

トルコのエルドアン首相は現在BRICS会合のためロシアを訪れておりプーチン大統領との会談を行った。トルコはNATO加盟国だがBRICSへもアプローチしている。

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REUTERSが「トルコ防衛企業に「テロ攻撃」、5人死亡22人負傷 実行犯2人殺害」と伝えている。記事からはほとんど何もわからない。

アルジャジーラCNNの英語版の記事を合わせて読むとターゲットになったのはトルコの航空宇宙産業。バイラクタル無人機に代表される航空産業がトルコの目玉輸出品となっており輸出の80%を占めるとされている。

Turkey’s defence sector, which is widely known for its Bayraktar drones, accounts for nearly 80 percent of the nation’s export revenues with revenues expected to top $10.2bn in 2023.

At least five killed in attack on aerospace firm near Turkey’s Ankara(アルジャジーラ)

CNNも詳細は不明としながらも「今後様々な憶測を生むことになるだろう」と分析する。トルコとアメリカの関係が悪化したことによりアメリカの航空機が輸入できなくなりその代替として開発が進んだようだ。つまりアメリカの制裁がトルコの航空産業を育てた。

記事の中にはエルドアン大統領はプーチン大統領と会談したと書かれている。現在BRICSの会議が行われている。ポイントになるのはトルコがNATO加盟国であるという点だ。バイラクタルはウクライナの戦争でウクライナ側に提供されている。そしてその輸出元がプーチン大統領と対話している。

長年EUへの加盟を熱望してきたトルコだが最近ではBRICSへの加盟を検討している。BRICSはすでに9カ国体制に拡大しているが、今後「パートナー国」を創設し勢力を拡大しようとしている。トルコもBRICS加盟を検討しているが具体的な申請は行っていない。だが長年EUから締め出されていたのだから「BRICS陣営」に寝返ったとしてもEUは文句が言えない。

今回のBRICS会議には2つの大きな話題があった。まずロシアは「ウクライナに関する主張」を封印した。加盟国やパートナー候補国は経済的な結びつきは期待しているが欧米との対決は望んでいない国が多い。プーチン氏はまずパートナー国の取り込みを優先し自国は孤立していないという状況を作り出そうとしている。

次にインドと中国が首脳会談を含む関係改善を模索している。アメリカや日本は「インド・太平洋」地域の結びつきを強めることで中国を孤立させようとしてきたが、今回の動きはそれに逆行するものになる。

トルコはインフレの抑え込みに成功したかに見えたが中東情勢の悪化とトランプ氏の再選を睨んだドル高で再びリラ安に見舞われている。朝鮮半島特需で浮上した日本経済を考えればウクライナの戦争はトルコにとっては輸出を伸ばすチャンスといえるだろう。だがロシアや中国との経済が良好になれば通商条件は改善されなおかつドル高にも苦しまずに済むようになるかも知れない。

このように非常に微妙な時期におきた攻撃だけにさまざまな憶測が生まれると予想されているのだろう。アルジャジーラはクルド系過激派の関与について言及しているがまともなジャーナリストは粛清されておりトルコ側から出てくる情報の信憑性はないと考えたほうが良いかも知れない。

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