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自公過半数が微妙な情勢に慌てる石破総理が「悪夢の民主党政権」を強調

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連日お伝えしているように自公過半数の確保が微妙な情勢になっている。第一弾情勢調査では「かろうじて確保」だったが第二弾では「微妙な情勢」となっている。石破総理はこれに動揺しており緊急通達を出したうえで「悪夢の民主党政権」というフレーズまで持ち出してきた。

問題はこれが自民党にとってどのように作用するかである。危ないのだから頑張ってもらおうと考える人が増える可能性と「ざまあみろ」と考える有権者が相手方流れて野党有利になる可能性がある。

おそらく「ざまあみろ」が結論ではないかと思う。

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当初有権者の多くは「様子見」だった。だが情勢調査が進むにしたがって「野党側」に票が流れている。だが今は流出が始まった状態でありまだ本格的な流れになっていない。

つまり日本人は「みんながどうするか」を見たうえで無意識に「みんな」の側に流れる傾向があるということだ。同調意識は意識的なものではなく半ば第二の本能のように習慣として定着しているのだろう。

次にこれは個人的な感想に過ぎないのだが日本人の持っている隣組意識も投票行動に影響するのではないかと思う。

戦中に状況が悪化すると隣組と呼ばれる組織がルールを逸脱する人たちを取り締まり始めた。不安を口に出せない日本人は代わりに「みんなで決めたことを守らない人」を代理懲罰して不安と不満を解消しようとする。お上に逆らうのは気が引ける。だが代わりに決まりを守らない悪いやつは叩いても構わないと感じるのだ。そして弱れば弱るほど激しく叩く。

自民党は盛んにCMで「ルールを守る」と言っている。だがルールを守るのは当たり前のことでわざわざそれを選挙中にドヤ顔で決められても困る。むしろこれまで「ルールを守らなかった」ことが意識されるようになり国民の怒りの矛先が自民党に向かう。懲罰しても構わない対象と見られてしまうのだ。そのうえで「苦戦している」と報道されると「ああみんなも自民党を叩いているのだ」と安心する人が増える。

「日本人の政治に対する懲罰感情は高まっている」と考えられるニュースを見つけた。過半数確保が難しいため政権再編論が出ている。維新はこれを否定していたが、立憲民主党も国民民主党も政権への協力を否定した。特に国民民主党は躍進が伝えられておりネットでネガティブキャンペーンも始まっているそうだ。ただし政権連合は否定している国民民主党は部分連携には含みを残している。つまり「自公政権」ではなく「政権そのもの」への敵対感情が生まれていることになる。だからそれに加担するものは「悪」だと断じられてしまうのだろう。

懲罰感情が高まると政策連携を念頭にした首班指名が国民民主党の「踏み絵」になる可能性がある。

ここから考えると有権者が望んでいるのは「政権に参加しない立憲民主党などの野党がが自公政権の決定をブロックする」という状態だということになる。政治VS国民という対決感情があるということだ。こんな状態で「自民党は苦戦しているからもう少し頑張ってもらわなければならない」という空気が出てくるとは考えにくい。

森山裕幹事長は「政権拡大」に意欲を燃やしているが選挙結果が出たあとすぐに野党が「はい喜んで」と政権に参加するとは思えない状況が作られつつある。

自民党は7日からの国会開幕を望んでいるそうだが選挙情勢次第では国会の開催が遅れる可能性が出てきた。総理大臣の外交日程があるため上旬に国会が開催できないと11月下旬から12月上旬にずれ込む可能性があるという。そもそも1月になると本予算編成が始まる。

ただ、与党が衆院で過半数を割り込めば政権樹立に向けた与野党の駆け引きが活発化し、召集がずれ込む可能性もあり、日程は流動的だ。

特別国会、来月7日召集案 衆院選次第でずれ込みも―政府・自民

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