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公明党の裏金議員支援の背景にはやはり選挙区事情

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日本記者クラブで党首討論が行われた「らしい」。どっちみち選挙目当てのキレイ事が出てくるだけだろうから後でまとめでも見ればいいや考えて内容は見なかった。

中で公明党の石井代表は徹底した政治改革を訴えたいと主張したそうだ。創価学会の人たちはNHKを見て満足したかも知れない。だが時事通信が裏金候補の支援について「どうやら石井さんを含む選挙区の事情らしい」と書いている。

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時事通信は三林氏と西村氏の支援について書いている。

三ツ林氏の推薦理由について、公明の西田実仁幹事長は「私たちの党員らに十分、説明責任を果たし、協力関係も構築されている」と説明。しかし、党関係者は「石井氏の当選には三ツ林氏の協力が欠かせない」と本音を漏らす。

公明、苦肉の「裏金」推薦 小選挙区で見返り期待【24衆院選】

石井新代表は比例北関東ブロック選出の衆議院議員だ。だが国会議員には「比例より小選挙区のほうが偉い」という有権者にはあまり関係がない謎のヒエラルキーがある。また、公明党は与党利権として都市部に新設される選挙区を欲しがっている。東京の新設選挙区調整を巡っては「都連との信頼関係は地に落ちた」などと発言し周囲を慌てさせた。

埼玉県の東部千葉県寄りは地下鉄日比谷線に乗り入れる東武伊勢崎線の沿線で人口が増えており、埼玉16区が新設されたことで複雑な区割り変更が行われた。結果的に石井氏は14区から出馬し旧14区にいた三林氏は13区から出馬するそうだ。

この時事通信の記事は要するに「石井さんと三林さんの間で支持者のやり取りが行われている」と指摘している。

兵庫県阪神間の事情はやや異なる。

兵庫県は神戸市の一部、西宮市の一部、明石市、淡路島が対象になっている。常勝関西と言われており公明党が強かった地域だ。だが維新と自民党が支援した斎藤元彦氏が勝利したことからわかるように「改革」を求める有権者の勢いが増している。

  • 兵庫2区(公明党:神戸市兵庫区、北区、長田区と西宮市の一部)
  • 兵庫8区(公明党:尼崎市)
  • 兵庫9区(自民党:明石市と淡路島全域)

斎藤元彦知事は「維新系」と言われることが多いが、西村康稔氏は高市早苗氏とともに斎藤元彦知事を支援したといわれている。高市早苗氏は維新の候補と対決するために奈良県でも新顔を支援しており新しく自民党幹事長になった森山裕氏と対立した。つまりこの2名は「旧来の既得権型自民党」と自分たちを切り離そうとしている。前回山口新3区と福岡9区の事例を紹介したが維新が介入した京阪神では切実に「脱既得権型・ムラ社会型」が求められている。実際に井戸県政に対する不信感は根強く斎藤元彦氏の再選もなくはないという情勢である。

維新は自民党の旧勢力と公明党を「守旧派」として攻撃する傾向がある。ここで西村氏が「改革派」になって国政選挙で公明党を攻撃することも考えられなくはない。自民党の公認が得られないなかで西村氏に恩を売っておくのは有効な対策だろう。

このように両地域とも「それなりの事情」がある。特に支援じたいが法律に触れるわけではないのだから「有権者の支持が得られるならどうぞご自由に」と言う気がするのだが、その前に「政治と金の問題が何より重要だ」という主張は取り下げるべきだろう。

この「言っていることとやっていることが全く違う」という姿勢は他の政党にも見られ、結果的に有権者の冷笑化に一役買っている。

自民党の説明と実態の乖離はもはや惨状と言ってもよいが、立憲民主党の野田佳彦も事実上野党共闘が破綻しているにも関わらず「最後の最後まで諦めない」と言い続けている。ただメディアは「魔法使いでもない限り共闘なんか無理だろう」と報道している。ちなみに「魔法使い」とは小沢一郎氏の発言を引用したものである。

こうなると「政治家が選挙前に提案する主張は全部ウソだからもう聞かなくてもいいや」という気持ちになる。冷笑を振りまくようなブログ記事は民主主義の健全な育成には有害なのだろう。だが、それでもはやり「よくよく観察した結果冷笑せざるを得ない」という気持ちにしかならない。

マスメディアは自民党の無反省ぶりに苛立っている。このため記事の中には「政治と金の問題についてマスコミ無視の姿勢を今一度おさらいしましょう」というような記事が複数出ている。朝日新聞は「裏金議員一覧」を出しており時事通信のタイトルもこころなしかはしゃぎ気味だ。

このリストを片手に「何人が生き残れるのか楽しみだ」と言うような冷笑的な選挙鑑賞の雰囲気づくりが生まれている。

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