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石破新総裁特集(1/3)石破ショックと経済政策

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金曜日は高市総裁の可能性が高まったとして「高市トレード」が起きた。第一回目の投票後がピークだったが第二回目に高市氏が逆転され142円台まで円が急騰した。

日経先物も下落していると言われており月曜日の株価混乱が予想される。これがネットでは石破ショックと言われている。石破氏は早速軌道修正を余儀なくされた。

もう一つの変化は土壇場で岸田派・林陣営からの応援が入ったことだ。このため岸田総理の「新しい資本主義」を否定できなくなった。具体的な経済政策は地方創生会議で議論されるため当面石破氏独自の経済政策は期待できそうにない。立憲民主党ではすでに消費税減税路線が否定されている。このため経済政策と言う意味では与野党の間に争点が多くない。基本的には増税路線ということになりそうである。

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金曜日の前半は円安・株高の高市トレードだった。ところが石破茂氏が新総裁に決まると円が急騰した。東京株式市場は閉まっていたが先物はかなり下落している。月曜日にかけて石破ショックの余波が懸念される。一部には「ブラックマンデーだ」という人もいる。石破新総裁は早速「金融政策は大きく変わらない」と市場にメッセージを送ったが、高市トレード期待の市場関係者は戻ってこないだろう。

専門家は「石破ショックは一時的なもの」と見ているようだ。むしろ経済運営が不安視されていた高市氏と比べると石破氏のほうが安定するのではないかと見ている人が多いようである。つまり、石破ショックは一時的なものに終わるだろうと言う見立てになっている。

土壇場で岸田派・林陣営から石破氏に票が流れた。このため新総裁は「新しい資本主義を継承する」と重ねて強調した。もともとの経済政策は地方重視型で「地方創生会議を作って皆さんの意見を聞きますよ」というものである。石破氏ならではの独自の政策は見られそうにない。今回の影の勝者は実は岸田文雄氏と宏池会ということになりそうだ。新しい資本主義が否定されることはなくなりレガシーが維持できる。また主要なポストも期待できるかもしれない。

選挙という禊が終わってしまえばあとは「増税路線」と言うことになる。立憲民主党も消費税減税に否定的な野田・枝野の争いとなり最終的に野田佳彦氏が勝っている。石破茂新総裁と考え方に大きな違いがあるとは思えない。

経済成長路線と改革については先行きが見えなくなった。経済成長優先という茂木幹事長が失速したのが大きい。自民党の支持者たちも議員たちも「経済成長」には全く興味がなかった。自民党は伝統的に分配政党だということが改めてよくわかった。

ただし陣営には平将明氏のようにITに詳しい専門家もいる。つまり、組閣があって初めて経済成長にどの程度重きをおいているかがわかることになる。場合によってはプロジェクト管理能力が不安定な河野太郎氏よりも期待が持てるかもしれない。しかし河野太郎氏の様な性急なIT改革路線は否定された。また小泉進次郎氏が夫婦別姓議論を加速すると発言して失速したことからこれらの議論も党内情勢次第では退潮するかもしれない。誰が調整役の官房長官になるかは重要だ。

防衛は懸念材料になるかもしれない。「ペットプロジェクト」化するとあるいは日本の財政に大きな負担になる可能性もある。特に経済成長にあまり重きをおかず、地方への分配を重視し、防衛費用の高騰をアメリカに約束してしまうと組み合わせでは現役世代の未来は明るくなさそうである。

経済では当面市場のリアクション(石破ショック)に注意が必要だ。次に経済成長にどの程度重きを置くのかなどを組閣など人事を通じて観察することになる。

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