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やっぱり麻生派でも裏金が見つかる……

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2024年自民党総裁選にはメディアジャックの側面がある。毎日のように新しい候補者が斬新な主張を持って議論に参加し「やっぱり自民党は人材豊富だなあ」という印象を与えるのが狙いだ。地震の影響で日程がタイトとなり出馬表明がかぶる人が出てきたと時事通信が書いているがまとまりに欠け枝野・野田両氏しか出てこない立憲民主党に比べると贅沢な悩みだという気がする。

しかしその議論は極めて内向きであり不安を感じさせる内容だ。国民の第一優先順位は経済と社会保障の維持だがこれが実現できない。また麻生派にも裏金疑惑が出ている。つまり強い指導力を発揮してい自浄作用を働かせることもできない。そこで浮上したのが憲法だが、実はこれも議論をまとめられていない。

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個人的には「どうせ自民党に自浄作用など働かない」と思っているのでそもそもこの話題には関心がなかった。だが、書くためには「なぜ今こんな話が出てくるのか」を調べなければならない。時事通信の記事には一部報道と書かれているので「一部ってどこなんだろう?」というところから調査する必要があった。あくまでもブログ都合なのだが、引用元は正しく表示して欲しい。

毎日新聞が有力議員に取材をしている。現在は山東派などと合流し志公会と名乗っているがその前進の為公会時代の話だそうだ。「今はもう問題はないから司法的的にはクリア」といいたいのかもしれないが、麻生派の公認候補河野太郎氏には明確は逆風である。

それにリンクされている記事には薗浦元議員の捜査の記録から裏金の存在が見つかったと書かれている。なるほど検察の記録なのかと思った。略式なので裁判は開かれていないと思う。

2022年に政治資金規正法違反で薗浦健太郎元衆院議員が罰金などの略式命令を受けた事件で、元秘書が東京地検特捜部の調べに対し、薗浦氏が所属していた自民党派閥「為公会」(現・志公会=麻生派)の政治資金パーティーの収入から17年に分配された380万円を事務所の裏金をためる口座に入れたと供述していたことが刑事裁判の確定記録から判明した。

麻生派で裏金認める初の証言 元所属議員秘書が特捜部に供述(毎日新聞)

こういう話は文春だろうと考えて検索をしてみた。案の定、文春は5月に原田義昭元環境相の証言を取っている。だが、このときには政治的アジェンダには乗らなかった。「このときにきちんと扱っていればよかったのに」とは思うが、もう国民は飽きていたのかもしれない。

だが、今回の総裁選挙は選挙は「岸田総理が裏金の責任を取って辞めた」事が前提になっている。すべてを岸田総理が問題をすべて引き取った事になっているのだから「新事実」が出てきてしまうのは各候補者にとっては都合が悪い。各候補者ともに「当事者たちが説明責任を果たすべきだ」と逃げ回っており自民党の体質が変わっていないことがわかる。

経済でも明るい話題が提供できない。岸田総理の「新しい資本主義」の迷走ぶりが一種のトラウマになっているのかもしれないし、経済産業省よりだった安倍派の退潮が影響しているのかもしれない。安倍派が退潮し上げ潮派はすっかり自民党から消えてしまった。アメリカの流行りに乗ってAIにあやかろう(なぜか原発の新設に接続しているが)という程度の提案が見られるだけだ。

代わりに目立つのが「負担増」提案だ。誰が総理大臣になっても国民負担が増えることは明白だ。河野太郎氏は「高齢者の保険料負担」を提案石破茂氏は金融所得課税に踏み込んだ。また財務省の影響が強くおそらく緊縮財政派になりそうな小林鷹之氏は石破茂氏が提唱する防災省に反対している。新しい予算支出につながるものはなんとしてでも阻止したいのだろう。年末にもう一度話し合われることになる防衛増税についての議論はない。

そんななかで各候補者が頼るのが憲法である。憲法改正で刷新感を演出したいのだろう。ところがこれも行き詰まりを見せている。

石破茂氏は「現在の加憲では自衛隊の問題は解決しない」と主張し自衛隊を国軍に位置づけるべきとしていた。ところが自民党の中ではすでに公明党に配慮し加憲する案と、参議院に配慮して参議院の緊急集会を認めつつ緊急事態条項を優先する案がまとまりつつある。自民党の憲法改正案はすでに「砂の上に砂で作ったお城」状態になっているのだから、ここで憲法改正について議論されても困るというのが自民党の憲法改正実現本部の意向である。

この「憲法改正実現本部」は岸田総理がまだ再選を目指していたときの遺産だ。とにかく中身は何でも良いから総理の任期中に憲法改正を実現させるという政治的アジェンダに沿って作られている。

TBSはこうした事情をまとめつつ、国民が「最も取り組んで欲しい課題は物価高対策、衣装福祉の継続、賃上げなどの経済対策」であり憲法を挙げた人は1.9%しかいないと結んでいる。

新米の流通の基準価格となる概算金は4割ほど値上がりになりそうだ。江戸時代から統治の基礎になっていたコメの価格もコントロールできない政権に経済政策など立てられるはずもない。現に岸田総理は所得倍増を謳いつつ賃上げを経済界に丸投げすることしかできなかった。すでに日本は低成長・デフレ状態を脱却しインフレになっているが、安倍政権が主張してきたようなマイルドなインフレに馴ればすべての問題は解決すると言う状態は作られず、むしろ「スタグフレーション」の様相を呈している。

現実の問題から目を背けつつ「未来志向」を演出するためにはもう憲法改正に頼るしかない。だが、それも岸田政権時代の決定を動かせない。このまま現状を大きく打開する候補者が出てこないと「単なる顔見世興行」に終わってしまうだろう。

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