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冷戦後最大の囚人交換 勝者はバイデン大統領かプーチン大統領か

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日本ではあまり話題になっていないが、アメリカではアメリカ合衆国とロシアを含めた多国籍間の囚人交換が話題になっている。日本で言えば北朝鮮から拉致被害者が帰ってきたかのような扱いだ。ABCはバイデン大統領の「同盟の勝利」という側面が大きく伝えられていた。つまりバイデン大統領の歴史的成果だというのである。だがこれは事実の片方しか捉えていない可能性がある。プーチン大統領が手に入れたもののほうが実は大きいのだ。

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アメリカ合衆国とロシアなど7カ国の囚人24名の交換が行われた。冷戦後最大ということで話題になっている。ABCは「アメリカが同盟を維持してきたからこそ人質が帰ってきた」と外交的成果を強調する。しかしこれは過剰宣伝である可能性が高い。

プーチン大統領はFSBのワジム・クラシコフを取り戻している。自身もスパイ出身であるプーチン大統領にとっては身内同然である。

ワジム・クラシコフはドイツでチェチェン人を殺害しドイツで拘束された。ドイツとしては自分たちの領土に踏み込まれて不法行為に及んだ人物であり許すわけにはいかない。2022年にもロシアがワジム・クラシコフを手に入れたがっていると言われていたがこのときにはドイツへの打診は行われなかったとCNNが書いている。

しかしここで事態が急変する。西側が取り戻したいと考えているナワリヌイ氏が亡くなってしまったのだ。アメリカ側はドイツとの交渉再編を余儀なくされた。そして最終的にはバイデン大統領がショルツ首相に直接囚人交換に同意するように呼びかけ、押し切られる形でショルツ首相が同意している。

バイデン大統領は大統領選挙を意識し(自身が出馬するわけではないものの)外交的成果を必要としている。今回「同盟の大切さのお陰で偉業が達成された」と宣伝している。単独主義を加速させるトランプ大統領への牽制の意味合いもあるのだろう。だが「囚人」といってもロシア側に捉えられている囚人は言いがかりを付けられて逮捕された人質と反プーチンの政治犯だ。他国の主権を侵害しスパイ行為の果の殺人を犯した人物とは釣り合いが取れない。

結果的に大統領選挙を目前に外交的成果を少しでも積み重ねたいバイデン大統領の足元を見る形で人質的囚人をコツコツと「貯金」し詰将棋のような交渉をしてきたプーチン大統領が自分が欲しいものを手に入れた。

アメリカ合衆国の国際的地位が相対的に下落する中、アメリカが欲しいものを手に入れるためにはそれに見合う対価を差し出さなければならなくなっている。対イスラエルでは「バイデン大統領はネタニヤフ首相に終戦を強く迫った」と伝えら得ている。また会合の最後には声を荒げたそうだ。だが、おそらくネタニヤフ首相はこれに応じないだろう。彼はトランプ大統領の再選にかけている。

またベネズエラの大統領選挙でも野党の勝利を認定しているが、ベネズエラがそれを認めることはないだろう。石油価格が安定しない中での経済制裁にも後ろ向きだ。

結果的にアメリカ合衆国はトランプ大統領のような狂人戦略に賭けるか軍事力を使って相手を恫喝するかしか選択肢がないという厳しい現実がある。これまでのように超大国として振る舞いづつけるためにはもうそれしかないの。

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