バイデン大統領が大統領選挙から撤退した影響が外交・安全保障に出ている。イスラエルがベイルートを攻撃した。全面的な戦争に陥ることはなさそうだが、バイデン政権の外交努力は泥を塗られた形になっている。バイデン大統領はベネズエラの大統領選挙に対しても批判を強めているが特に実効的なことは何もしないだろうと言われているそうだ。
任期をあと半年残しアメリカの政治権力が空白状態になっている。
ゴラン高原にヒズボラからと見られる攻撃が加えられた。サッカーコートが狙い撃ちになり12名の少年が亡くなったとされている。イスラエル本土(国際社会は承認していない)への直接攻撃でありイスラエルの報復攻撃は必然とされていた。クネセトは首相と国防大臣に対応を一任。だが、アメリカ合衆国は「事態がエスカレートしないように」外交努力を続けているとされていた。特にベイルート攻撃はエスカレートの可能性が高いと考えられており泥沼に引きずり込まれたくないアメリカ合衆国としてはぜひ阻止したいところだった。
金融市場場は全面戦争の危険はないと考えている。だが、結果的にベイルートに攻撃が加えられた。バイデン大統領の外交的な働きかけにはなんの効果もなかったのだ。イスラエルとネタニヤフ首相は11月のアメリカの政権交代に賭けているのだろう。
アメリカ合衆国はベネズエラの大統領選挙にも深刻な懸念を表明している。がこちらも何もしないだろうと言われている。一応は形式的な経済制裁を行うかもしれない。
トランプ政権はマドゥロ政権と激しく対峙し経済制裁を加えた。このため13万%のインフレが起きベネズエラ経済は破綻する。結果的に多くの国外逃亡者が生まれている。だが石油価格を安定させたいバイデン政権は「民主的な選挙」を条件に経済制裁を解除してしまう。マドゥロ政権は「経済制裁が解除されればこっちのもの」と言わんばかりに野党への迫害を再開した。バイデン政権は慌てて経済制裁を再開するがマドゥロ政権を追い詰めるところまではいかなかった。
そもそも経済制裁で破壊されるのはベネズエラ国民経済だけである。ベネズエラはロシアやキューバなどとの同盟関係を構築しており軍部も掌握している。
経済制裁で国民生活を破壊するとまた難民キャラバンが発生しかねない。ベネズエラ野党は激しい抗議運動を展開しているが、そもそもこの抗議運動に疲れている人もいて結果的にまた難民キャラバンが発生する可能性が指摘されている。11月までにこの波がメキシコ国境に到達するとハリス副大統領の国境政策への批判に発展しハリス氏への逆風になりかねない。
国内では最高裁判所の判事の任期を18年に制限する提案をしている。保守派の判事が終身で最高裁判所を支配しているためその対抗策として打ち出された。また大統領の執務中の絶対的免責権限を剥奪するための憲法改正も提案したが、所詮は残り6ヶ月の大統領でありこの提案が実現する見通しは立っていない。
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