さて、先日来別のブログで作曲ごっこをして遊んでいる。MacにはGaragebandというソフトがあり、豊富なループが使えるのだ。ループとはできあいのフレーズでユーザーが自由に使うことができる。ループの著作権はロイヤルティフリーになっているので、商用のビデオにも使える。ということで、なんとなく大発見したような気分になってしまった。「これは便利だ!みんなにお知らせしなきゃ!!」みたいな感じだ。
しかし、実際には大きな問題になっているようである。YouTubeにはさまざまなビデオ映像がアップロードされているのだが、BGMが必要な人がGaragebandを使って「作曲」している。しかし、それとは別にGaragebandを使って音楽作品を作曲している人たちがいる。当然、これには著作権があるわけだ。
こうした音楽を集めたプラットフォームがあり、有料で配信を請け負ってくれる。そこが機械的にマッチングをかけて似たような曲を選別する。似たような曲が見つかれば「著作権を侵害している」と忠告してくれるわけだ。
なかなか親切な仕組みのようだが、問題がある。同じAppleのループを使うわけだから似てきてしまうのだ。するとYouTubeのユーザーがロイヤルティフリーだと考えて作った音楽に著作権者がいるかもしれないという状況が生まれる。今のところ、YouTuberに警告が来るが映像の使用は差し止められないという状況になっているようだ。ただし広告がついて、収益が「自称著作権者」能登頃に行ってしまう。
音楽の著作権そのものは当事者間で調整すれば良いと思うのだが、やっかいなのは「何が作曲なのか」というのが曖昧になっているという点だろう。音楽のオートメーション化により、似たような音楽が氾濫する。多分、プロの音楽にもこのようなループは使われているのではないかと考えられる。もともと典型的なフレーズを集めてパッケージにしたのがAppleのループだからだ。
現在日本ではJASRACを巡った問題が起きている。JASRACはテレビ時代に最適の著作権管理方式だったわけなのだが、配信自体に入り著作権のあり方はかなり変わりつつあるようだ。同人誌と同じようなノリで二次創作したい人もいれば、できあいのループを使って音楽を量産したいという人たちもいるのである。