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Windowsアップデートの不具合で世界中が麻痺状態に

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マクドナルドが3割の店を閉めたというのが最初のニュースだったと思う。そのうちWindowsのアップデートが失敗し職場がブルースクリーンで溢れたという報告がXに溢れかえった。だが(個人的な印象ではあるが)この時点では問題の大きさを把握しきれていなかったと思う。

一夜明けてニュースを見ると国内外で大変な騒ぎが起きていたようだ。交通、金融、医療、通信などのインフラが遮断され大勢の人が予定の変更を余儀なくされた。世界がWindowsPCとクラウドに頼り切っていることがわかった一日だった。

岸田政権は政府業務のデジタル化を推進しているが、実はこれも問題になりそうだ。

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最初のニュースは日本マクドナルドが一部店舗を閉じたというものだった。3割の店が開けられなかったそうだ。原因はレジの不具合だという。眼の前にハンバーガーの材料があり作るスタッフも揃っている。だがハンバーガーは食べられない。理不尽だ。

次に職場のWindowsがブルースクリーンから復旧できなくなったという報告がXに溢れた。後に「企業向けのWindows」であり個人向け製品には関係がないことがわかっている。

今回の製品は個人向けではなく、企業単位で契約するもの。社員それぞれに配っている端末、もしくは現場の端末に入っているソフトに不具合があり、影響が大きかった。

Windows搭載パソコン障害で大混乱、週末への影響は? 三上洋氏「復旧しても情報が殺到してパンクする二次被害の恐れが」「そもそも“今日起動していない端末”は注意が必要」(AbemaTimes)

AbemaTimesには回復方法についても記述があるが一般ユーザーには関係がないということになる。ただこれを職場にいる一般ユーザーにやらせるのは難しいのかもしれない。コマンドラインを開いて特定の場所に移動しろと言われてもどうして良いかわからない人は大勢いそうだ。また削除作業が入っていると「間違えて必要なファイルを削除した」という人も出てくるかもしれない。

  1. セーフモードかWindows回復環境で起動
  2. 「C:¥Windows¥System32¥drivers¥CrowdStrike」へ移動
  3. 「C-00000291*.sys」を削除
  4. 通常どおり起業(これは起動の間違いだろう)

障害に関しては実に様々な記事が出ているが、交通網の混乱、テレビ放送の中止、金融サービスの中止、病院などの医療サービスの中断など多方面に影響が及んだという。特に医療サービスの中断は命に関わる。TBSは「ドイツ北部のある大学病院で手術がすべて停止」と報じている。緊急通報に影響が出た地域もあった。

対策が出ていることからもわかるように原因はすでに特定されている。マイクロソフトに組み込まれているクラウドストライク社の修正プログラムの不具合だったそうだ。

現在のWindowsはクラウドサービスと常時連携している。そのセキュリティをになっているのがクラウドストライク社製のサービスだったようだ。WindowsはMicrosoftが提供していることになっているが実はサードパーティ製のプログラムが乗っておりこれが今回のような大惨事を引き起こすことがあるのだ。

Quoraではアメリカのスターバックスで働いているという人からの障害報告があった。事務所のPCが起動せずステッカーも出ないという影響があった。さらにモバイルオーダーもストップした。「これでは仕事にならないねえ」という話をしていると近所の病院のドクターが「病院のシステムもダウンしていて仕事にならないんだよ」などと話していたという。だがまさかここまでの規模になるとは思っていなかったようである。

問題は復旧過程だ。障害の規模感がわからずニューヨークダウ平均は経済混乱が広がるのではという懸念から株価が下落した。クラウドストライクとMicrosoftは原因は取り除いたと言っており株価は下げ止まった。しかしすべてのコンピュータが自動で復旧するわけではない。実に様々なシステムが複合的に動作しており順番に立ち上げ直しをしなければならない。

再びアメリカのスターバックスの話に戻る。PCレジはすぐに復旧した。しばらくは手書きでカップに名前を書いていたそうだがステッカー印刷システムも復旧したそうだ。だがモバイルオーダーは復旧せず「比較的ゆるい(つまりお客さんがいない)」状況が続いたという。経済的にもかなりの損害が出ているはずである。

マクドナルドの閉鎖やスターバックスのシステム不具合など個別の問題についてこれがWindowsに由来するものかどうかはわかっていない。だがシステムの閉鎖は広い範囲で確認されており、世界がMicrosoftのサービスに依存していることがよく分かる。

スターバックスでは眼の前にコーヒーがありそれを入れてくれる人もいるのにコーヒーが手に入らなくなった。またマクドナルドでもハンバーガーが目の前に会っても食べられない。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも物販やレストランが9割麻痺したという。熱中症が懸念されるためUSJではカップに入ったスポーツドリンクを無償で配ったそうだ。

この記事を書いてからQuoraではイギリスからの情報も入った。イギリスでは交通の民営化が進んでいて格安航空会社がシェアを伸ばしている。少ない航空機でやりくりしているところが多く空の便は大混乱したようだ。イギリスの保険制度はNHSという。仮に障害がNHSに及ぶとイギリスの医療制度には大きな障害が出る。TBSはドイツ北部の大学病院について紹介していたがイギリスでも患者の情報にアクセスできなくなったという問題が起きているという。

現在日本の政府はマイナンバーカードを使えば過去の医療履歴に簡単にアクセスできるようになり便利になると宣伝している。これは確かにその通りなのだが利便性の向上はコンピュータシステムに大きく依存することになるだろう。どの程度テールリスクの「有事」に備えておくかは重要な視点になりそうだ。

また今回の障害復旧でPCのリモート管理ができなくなると保守点検スタッフが現場に赴き手動でパソコンの立ち上げを行う必要が出てくるだろう。そういえば欧米は今夏休み(バカンス)シーズンなのだ。アメリカは旅行需要が旺盛なため航空スケジュールに混乱が見られるが「夏休みに入った保守点検スタッフが足りない」という事態も想定されるのだなあなどと感じた。

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