アメリカの消費者物価指数が発表された。4年ぶりにわずかながらの下落(実際には前月比でほぼ横ばい)が見られ9月の利下げの公算がいよいよ高まった。これにつれて円が高騰し一時157円台までドルが売られた。テレビ朝日は「為替介入の可能性」を示唆している。退任予定の神田財務官はこれを否定せず投機相場の危険性を強調した。
この記事を書いてから毎日新聞が為替介入が実施されたと報道したため内容を一部書き換えた。
アメリカの消費者物価指数が発表された。2020年5月以来約4年ぶりに前月比で下落となりディスインフレが軌道に乗っていることがうかがえる。
これをきっかけに円が2.7%高騰した。ロイターはテレビ朝日を引用し「為替介入があったようだ」としている。テレビ朝日は速報という形で伝えている。現在は158円台後半で取引されている。
今月末で退任する神田財務官は「コメントする立場にはない」としたが為替介入については否定せず「ファンダメンタルズと乖離している=投機目的である」と強調し為替介入の環境が整っていることを示唆している。
しかしながらこのタイミングでの介入は財務省がCPIというイベントを利用しなければ為替介入には効果が出ないと考えていることになる。実際に160円ラインを超えても介入はなかったことから打ち手を欠く状況に陥っていることを伺わせる。
神田財務官は7月末で退任し後任は三村淳国際局長になる人事が発表されている。
FRBの9月の利下げはほぼ既定路線となり先物は90%で利下げを織り込んだ。その後のイベントは大統領選挙になる。バイデン政権が続けばこのまま金利は正常化する可能性があるが、トランプ政権下ではインフレが予想されており、日本の為替にとっては厳しい環境が続きそうだ。