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蓮舫さんが何に負けたのかを学校を例に解説

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東京都知事選が終わり当初の予想通り蓮舫氏が三位に沈んだ。このエントリーではなぜ蓮舫氏が三位に沈んだのかを考える。学校を例に説明するとわかりやすいと気がついた。蓮舫氏はキラキラさんである。全校のあこがれの存在だ。これがまずかった。

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蓮舫氏は輝いている。これを便宜的にキラキラさんと呼ぶ。そのキラキラさんに周りにキラキラさんに憧れる人たちが群がる。ところが彼ら・彼女らに話を聞いてみるとどうも要領を得ない。まず理論的な人は離れてゆく。今回安野貴博さんが無名の状態から理論的な人たちを15万人程度掘り起こしている。先進都市東京と言われるがおそらく理論家人口はあの程度なのだろう。

キラキラさんに憧れる人たちは集団的多幸感に包まれると宗教的な組織を作ってゆく。当時のXの投稿を分析してみると良いと思うが「蓮舫さんを見て勇気をもらえた」「涙がこぼれた」というつぶやきが多く見つかるはずだ。中にいた人たちには気持ちが良かっただろうが外から見ていると「なにこれ、気持ち悪い」としか思えない。

この左派の集団的多幸感は反原発運動・反安倍運動でも明らかであり失敗の兆候だ。

次第に趣味のサークル化し無党派を遠ざける効果がある。さらに、これを仕切る人たちが出てくると無党派層はますます「ごめんなさい」と遠ざかってゆく。論理的に運動を見ている人はあまりにも感情的過ぎると感じるだろうし、そもそも疎外感を持って運動を外から見ている人たちが入ってくることができなくなるからである。

「推し文化」ではよくあることだが「このスターの何がいいの?」と聞かれても周りにいる人達は答えられない。ファンは推しを理解しているのではなくその中に埋没している自分が好きなのだ。だから主張が広がってゆかない。

今回、学校に例えようと考えたのはこの「疎外感を持っている人たち」を可視化するのに都合がいいと思ったからである。疎外感を持っている人たちは本来ならば自分もキラキラ組に入れるはずだったと考えている。だがそれがどんなキラキラなのかのイメージはない。例えば体育会系の部活で活躍したり勉強で友達から一目置かれたりといろんな「キラキラ」がある。だがとにかく自分は無縁だ。

「俺達が輝くためには手札が全部変わらないと無理だよなあ」が彼らの正直な気持ちである。

彼らはキラキラさんが中心になって盛り上がっている文化祭が嫌いだ。今回石丸伸二さんに投票した人の数はキラキラさんが中心となって盛り上がるなんか気持ち悪い文化祭を見ると「前夜祭のキャンプファイヤーが燃え広がって文化祭がなくなればいいのに」などと考えてしまうような人たちだろう。これが150万人いる。

当初「無党派層の参加」が重要だと書いた。蓮舫氏のスローガンは「あなたと次の東京へ」だった。「あなた」と書いているのは良かった。だが、Xの投稿を見ているとどんどんと左派特有の内輪の「フェス的」な雰囲気が広がっていた。「感動して涙が出た系」の他に有田芳生氏のように「選挙は戦いだ」というイケてないおじさんまで群がり「ああ、これは終わったな」と感じた。そこで立憲民主党はできるだけ多くの街宣写真を露出させ「フェス」の盛り上がりを演出しようとしたようだ。最後にはロケット団のような変なTシャツまで登場し「終わった感」はどんどん増していった。

蓮舫氏は光があたっていない部分に光を当てると言っていたがおそらく本当にくすぶっている人たちのことは目に入らなかったのだろう。この国には生活に困窮している人がいる。だがそれよりも「どこか輝けない」人の方が多いのだ。

蓮舫氏は会見で「私」を連発している。ここまでの内容を理解した人は「これもまずかった」と直感的にわかるだろう。クラスで疎外感を持っているスクールカースト中位の人たちは「自己表現が上手で信念のある人」のことが嫌いだ。結果的に蓮舫氏は「東京にいる左の人たち」80万人を1.5倍にすることには成功したが。これでも十分な成果だと言える。だが、小池百合子氏には及ばなかった。

2024年の得票数2020年の得票数はNHKから引用した。

  • 小池百合子3,661,377(59.7%)→ 2,908,384(43.2%)
  • 宇都宮健児・蓮舫844,151(13.8%)→ 1,267,184(18.8%)

ちなみに2016年には鳥越俊太郎氏が1,346,103票を取っているそうなので蓮舫氏の得票は鳥越さんに及ばなかったことになる。このときの自民党は増田寛也氏を支援し1,793,453票獲得している。

記事としては別に起こすが石丸伸二氏は1,658,363票獲得している。一方で安野貴博氏の得票はその1/10の154,638である。石丸氏は「文化祭なんかキャンプファイヤーが延焼してなくなってしまえばいいのに」と思っている層の代表であり安野貴博氏は理論的かつ効率的に東京を再生しようと考える人たちの代表だと考えると東京の状況は極めて危機的と言ってよい。やる気のない「キラキラできない人たち」が大勢いる。

今回の都知事選の特徴は実は都会でくすぶっている人たちがじわじわと増えているということを意味しており非常に危険である。彼らは本来なら彼らは中堅どころとして都市の成長を引っ張ってゆくべき存在でありむしろ社会の中心である。だが、「文化祭が燃えて最初からやり直しにならないと自分たちはキラキラできない」と考えているのである。

その割合は選挙に足を運んだ人たちの実に1/4近くになった。

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