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岸田政権の元で「日本が能力を活かしきれない状態」が16期連続

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日銀が試算する「需給ギャップ」が16四半世紀連続マイナスとなったと各紙が伝えている。つまり、日本が能力を活かしきれていない状態がまるまる4年間続いている。後半部分は岸田総理の経済成績表といえるだろう。すでにインフレに突入しているが「デフレ状態からの脱却」を果たせなかった。何がダメだったのか。

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第一の理由はインフレと円安だ。朝日新聞が熱心に取り上げている。

近所のあるスーパーマーケットに行くとある棚だけ品物がないことがある。よく見るとコメやコーヒーなど普段より安い価格で設定されたものが根こそぎ無くなっている。そして「それほど安くないないもの」はそのまま取り残されている。このスーパーマーケットは地域に浸透しようとしていて値引き額をパーセント表示している。安い品物ばかりが売れると競合も値引きに応じざるを得なくなる。そして近所のスーパーマーケットも競合価格を提示する必要に迫られる。

それにしても消費者はよくそこまで見ているなという気になる。中には値上げしなかった商品だけが売れ続けた結果値段をもとに戻さなければならなかったという事例も見かけた。「値段が上がればもう買わない」という消費者も多いのだろう。

このようにして節約は我々の生活の新しいノルム(慣行)になった。誰も岸田政権がこのノルムを打破しているなどとは期待していないし次の政権にも期待はしていないだろう。

ただしここまでは非製造業の話である。製造業さえ回復すれば需給ギャップが再びプラスに転じると期待されている。NHKは今回の需給ギャップの状態を次のように伝えている。日本には自動車産業があるではないかというわけだ。

一部の自動車メーカーが認証をめぐる不正で生産や出荷を停止したことを受けて、企業の設備投資などの需要面が押し下げられたと見られます。

では本当にこれは一時的な状態(エピソード)で症状(コンディション)ではないのか。

自動車産業の不調はダイハツの試験不正から始まっている。さらに岸田政権が価格転嫁による賃上げを目指したことで自動車産業に下請けいじめの構造がある事がわかってきた。トヨタ日産でそれぞれ見つかっている。政権基盤がしっかりとしていれば下請けいじめの問題に積極的に取り組むべきだがレームダック化している岸田政権に腰を据えた改革は期待できそうにない。

さらに認証不正について調べた結果、この問題はかなり根深いことがわかってきた。どうやら政府が国際状況の変化に対応できていないようである。現実に沿わない認証検査がメーカーの足を引っ張っているという指摘があるがこの問題に岸田総理が積極的に取り組んでいるという話も聞かない。

トヨタ自動車など国内自動車メーカー5社が型式認証試験で不正を行っていた問題に関連し、国土交通省は4日、愛知県豊田市のトヨタ本社に道路運送車両法に基づく立ち入り検査をした。対象車種の出荷停止など影響が現れる一方、認証制度自体が時代の変化に対応できておらず、見直されるべきとの声も上がる。

頼みの綱である自動車産業さえ復活すればという期待はあるが、どうもその前提が揺らぎ始めているようなのだ。

通貨政策も放置されている。ドル円は162円目前という所まで来たが政府は「注視」以上の対策は打たない。また対ユーロ・対オーストラリアドルでも安値に沈みまさに「通貨一人負け」である。神田財務官は交代になる。通貨安による物価高は続きそうだ。

だが、資産をそれなりに持っている人は特に心配する必要はない。日本にいながらにして海外投資ができる環境が整いつつある。特に好調なアメリカ経済から高いリターンが期待できるだろう。いい時代になったものだ。

また「とりあえず日々の暮らしさえ立てばいい」「特に欲しいものもない」という人たちもそれほど困ることはないだろう。

なお政府の税収は好調だった。日本政府はアメリカとの約束を守るためにこの余剰を使いたい。また自民党はパーティー券をたくさん買ってくれた企業に分配する必要がある。このため半分は防衛費に充てられる。麻生太郎副総裁のような国家経営者目線では国民は黙って働いて政府を支えてくれればいいと考えるだろう。「生かさず殺さず」が国家経営の要諦だ。

財務省は3日、2023年度の国の一般会計税収が72兆761億円になると発表した。企業の好業績を背景に法人税収が大幅に伸びたためで、4年連続で過去最高を更新した。歳入から歳出などを引いた剰余金は8517億円となった。半分を国債の償還、残り半分を防衛強化費に充てる

菅氏と茂木氏も銀座のステーキ店で会食したなどと伝わっている。円安の影響で輸入肉はかなり高くなっていると思うのだがやはり日本の未来について語るうえでジューシーな肉は欠かせない。彼らの未来構想の中に国民が入っているのかは誰か記者たちに聞いてもらうしかない。

自民党菅義偉前首相と茂木敏充幹事長が19日夜、東京・銀座のステーキ店「ウルフギャング・ステーキハウスTeppan銀座店」で約2時間15分、会食した。23日の通常国会の会期末を前に、岸田政権の行方や秋の総裁選について意見を交わしたとみられる。

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