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防衛省も蚊帳の外だった 沖縄の米兵性的暴行事件

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沖縄の米兵による性的暴行事件に進展があった。立憲民主党の調査で外務省は知っていたが防衛省にも連絡が行っていなかったことがわかっている。外務省がなぜ防衛省に知らせなかったのかは不明だ。背景には揉め事を避けたい・左派をのさばらせたくないという複雑で整理されない気持ちがあったのかもしれない。一方で成果に乏しいオール沖縄運動がこの問題を利用して党勢回復を狙う可能性もある。被害者そっちのけの左右対決はおそらく無党派沖縄県民を大きく失望させるだろう。おそらく東京都知事選の敗因分析でも同じことを書くことになるだろうが、普段阻害されている人ほど連帯感がもたらす多幸感に中毒を起こしてしまい無党派を遠ざけてしまうのだ。

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沖縄の米兵による性的暴行事件に進展があった。まず過去29年間で15件の未発表事件があった。2017年に親告罪化するまでは被害者が取り下げていたケースが多いそうだ。また立憲民主党の調べで外務省が防衛省に伝えていなかったこともわかってきた。

本来ならば「なぜ防衛省にも伝わっていなかったのか」が知りたくなる。だがおそらくこれは当事者の間でも問題の整理が進んでいないのではないかと思う。

  • アメリカ政府相手に面倒な交渉はしたくない
  • 左派(オール沖縄運動)をのさばらせたくない
  • 被害者さえ黙っていればすべて丸く収まる

とにかく複雑な心情があるのだろう。ここに「性的被害は被害を受けた人の恥なのだからそっとしておいてやるのが思いやりなのだ」というような便利な心理的言い訳を導入されると当事者の間でも「一体なぜこんな事が起きたのか」の総括は進まないだろう。外務省は「警察の判断を尊重した」といっており警察は「被害者の心情を慮った」と言っている。

いったん感情が癒着すると自己正当化の気持ちが働き問題の整理が難しくなる。自民党の政治と金の問題でも見られた現象だ。

周りから圧力をかけて性的被害者を黙らせることはセカンドレイプである。だが日本社会は依然として組織防衛のためのセカンドレイプを延々と続けている。ジャニー喜多川事件が起きたときにメディアは口々に反省を口にした。だがそれは嘘だった。この手の問題で日本人は反省などしない。単にやり過ごそうとする。

とはいえ立憲民主党・オール沖縄にも問題はありそうだ。オール沖縄運動は原理原則にこだわる共産党系と反対運動をカードにして中央政府から有利な条件を引き出すべきだとする勢力に分かれていたといわれている。県議会選挙でも問題になったがこの「内紛」はかなり以前から語られていた。また左派運動の一般的な傾向として運動体が身内で盛り上がりがちで部外者が入りにくいい雰囲気が形成される。これが積み重なりオール沖縄は支持を失いつつあった。立憲民主党もこれを自民党政権に体知る攻撃材料として利用するだろう。

結果的に国民・市民と性的暴行被害者が置き去りになり党派運動に耽溺することになる。

おそらく今のままでいくと東京都知事選の「敗因分析」でも同じことを書くことになるだろうが、左派が身内で盛り上がれば盛り上がるほど無党派は覚めてゆく。左派運動は一種の宗教的恍惚感を纏うことがある。これが世論から数センチ浮き上がるという状況を作り出してしまうのだ。

本来ならば今回の問題はオール沖縄にとっては追い風になるところだが辺野古の反対運動の熱心な支持者の抗議運動の巻き添えになったと見られる警備員が亡くなっている。無謀な抗議運動に対する世間の目は殊の外厳しい。

左右ともに「一人ひとりの個人が幸せであるべきだ」という原理原則よりも「仲間内の連帯感に浸っていたい」という気持ちのほうが勝ってしまう。これが日本政治に限界を作り出している。

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