懸案だったEUの首脳人事が固まった。穏健右派・穏健左派の連立で極右は排除された。ロイターは次のように伝える。フォン・デア・ライエン氏の任期は5年だそうだ。
- 中道右派フォンデアライエン氏を2期目となる欧州委員長に指名。
- EU首脳会議の次期議長(EU大統領)はポルトガルのコスタ元首相(中道左派)を指名。
- ボレル外交安全保障上級代表の後任にはエストニアのカラス首相(リベラル)を指名。
バランスの取れた人事だが反EU・極右と呼ばれた人たちは決定に参加しなかった。
フォン・デア・ライエン氏の再選自体は既定路線とされそれほどの驚きはない。フォン・デア・ライエン氏は中道右派、コスタ氏は中道左派、カラス氏はリベラルとバランスが取れた首脳人事となった。
むしろ今回の注目ポイントは極右の動向だった。まず極右とか反EUとされる勢力は全体の2割から1/4程度と見られているがお互いに協力することはなかった。
ロイターはメローニ・イタリア首相とオルバン・ハンガリー首相の動向に注目している。それぞれ対応が異なっているがいずれにせよフォン・デア・ライエン政権には協力しない姿勢が明確になった。
- イタリアのメローニ首相はフォンデアライエン氏に関する投票を棄権し、コスタ、カラス両氏の指名には反対した。
- ハンガリーのオルバン首相は、フォンデアライエン氏に反対票を投じ、カラス氏には投票しなかったという。
今回の人事案はEU議会で承認され正式決定になる。
BBCによるとメローニ氏は今回「排除された」ことについてかなり怒っているようで「欧州議会での人事案の承認は、今回よりも難しい可能性がある」と表現している。今回の合意は政党・国間の協議で合意が成立したことを意味しているが、必ずしも議会承認がすんなりと前進するとは限らないという意味なのだろう。
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