ノルマンディ上陸作戦の初日でありD-Day当日はバイデン大統領と退役兵のインタビューを中心に構成されていた。アメリカは80年前にかなりの対価を支払って民主主義を守ったという自負心がある。その自負心を強調し現在の状況につなげる内容となっていた。戦争についての捉え方が日本とは全く異なっているのだ。
- バイデン大統領へのインタビュー。現在の情勢をノルマンディ上陸作戦当時と重ね合わせて「民主主義を守るための同盟」の重要性について語ってもらう内容。今回は連合国ロシアが招かれず代わりにウクライナのゼンレンスキ大統領が招待されていた。第二次世界大戦の状況とウクライナの戦争を重ね合わせている。
- ミューア氏は大統領に対していくつかCriticalな質問をしていた。予定調和的な日本の記者クラブ質問とはかなり異なった印象だ。
- アメリカ製の武器が限定的とはいえ核兵器保有国ロシアへの攻撃に使われることに対してのバイデン大統領の受け止め。
- イスラエルに対するバイデン大統領の一貫しない態度について質問した上で「ネタニヤフ首相はあなたのいうことを聞いているのですか?」と質問。
- 国境政策については「なぜもっと早くやらなかったのか」と質問。
- ハンター・バイデン氏の裁判については結果を受け入れるのか?恩赦を行うつもりがあるのかと質問。大統領は結果を受け入れ恩赦は行わないと宣言していた。
- 場所を戦死者墓地に移しインタビューを続行。80年前に民主主義のために戦った犠牲者に思いを馳せていた。
- ABCはデイビッド・ミューア氏のレポートで存命の退役兵士のノルマンディへの帰還の様子を伝えていた。「自由はタダではない(Freedom is not free)」ということを人々はあらためて知らなければならないと退役兵の一人は語っていた。犠牲者が多くアメリカに戻ってくることができなかった若者が大勢いたため「生きて戻り「あなたたちは忘れられていない」と伝えたかった」という退役兵が大勢いたそうだ。
- IDFがUNRWAの運営する学校を空爆。40名が亡くなった。
- アメリカはまた新しいトルネードが発生し被害が出ている。
バイデン大統領の発言については実際にビデオを聴いてもらうと実感が湧きやすいと思う。発音が不明瞭であまり元気でない印象を与える。さまざまな政策が行き詰まっていることもあり発言も直接的に質問に答えていないものが多い印象だ。むしろ「独裁者」プーチン大統領や共和党を批判する内容が多く行き詰まりを感じる。
例えばウクライナへの武器供与についてだが最初は「聞き取り能力がないせいで何を言っているのかわからないのだろう」と思い記事を探すことにした。
バイデン大統領は「アメリカはモスクワを狙っているわけではない」とした上でプーチン大統領は自分を40年も悩ませてきた独裁者であり国を一つにまとめることに苦労しているという認識を示した。だが、ロシア側がどのような対応に出ることを予想しているのか、またそれにどう対応するのかなどの直接的な対応は得られなかった。
デビッド・ミューア氏がロシアへの武器供与について懸念を表明したのは意外だった。調べてみるとあまり多く語られてはいないがウクライナ支援の行き詰まりを背景にしてアメリカの関与がなし崩し的にエスカレーションしている状況は懸念を呼んでいるようだ。
民主党寄りと言われることが多いVoxは「アメリカはプーチンのウクライナに対する核の脅威を試している」という記事を書いている。つまりロシアのレッドラインがどこにあるのかを見極めて最大限に介入しようとしているという論調だ。BBCはロシアのペスコフ報道官が「緊張がエスカレートし新しい局面に入った」とする反応を伝えていた。ロシアは戦術核の訓練を開始しておりアメリカやNATOの介入のエスカレーションは戦術核の実戦使用につながる可能性もある。
フランスも戦闘機の供与を決めた。フランスが直接訓練した旅団を組織するようだがフランスにウクライナ兵士を呼び寄せて訓練するのか、ウクライナに送り込むかなどの詳細は語らなかったそうだ。
またマクロン大統領は、ウクライナ軍の兵士およそ4500人を訓練して新たな旅団を組織する意向も示しましたが、フランス軍の教官をウクライナに派遣するのかなど、具体的な方法は明らかにしていません。