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公明党嫌いの麻生氏の抵抗か 岸田総理は政治資金規正法の週内成立を断念

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政治資金規正法の改正作業が難航している。おそらく国民は既に政治資金規正法になんら関心はなく決められない症候群に陥った現在の連立内閣に不信感を感じているのではないかと思う。維新もこの不毛であさましい参戦しており「やはり彼らも権力が欲しいだけなのでは」という印象が生まれる。

今回は麻生氏と茂木氏が公明党の提案する改革案に抵抗したとみられている。麻生氏を説得できない岸田総理は「山口那津男代表と一緒なら」と会食をセットした。ところが麻生氏(か茂木氏)を説得することはできず、山口那津男代表の態度は硬化したままだった。

反対の理由はよくわからない。茂木氏はおそらく既に不透明な政治資金に手を染めている。次の総理を狙っているとすれば政治資金を使い岸田総理に造反している可能性すらある。一方の麻生氏はかつて公明党はガンだったと表明している。個人的な嫌悪感も背景にあるのかもしれない。

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政治資金規正法の週内通過が絶望的なものになったと時事通信が伝えている。TBSによると経緯は次のようなものだった。

これが実にくだらない。

公明党が3年後の見直しを条件に自民党案を丸呑みした。現場レベルでは選挙協力などを考えると自民党案に乗っておいた方がいいという意見がある一方で山口代表は創価学会などの反発を恐れているようだ。国民民主党や維新が公明党を「同じ穴の狢(むじな)」と山口氏を攻撃したこともかなり響いているようである。

このため、岸田総理は一度は「公明党への配慮やむなし」との考えに傾いたが自身では麻生・茂木連合を説得できそうにない。そこで山口代表を交えて「メシ」を食い2名で説得しようということになった。ところが協議は物別れに終わった。岸田氏は麻生・茂木氏の説得に失敗したのだ。このままでは「麻生・茂木氏に丸め込まれた」という印象になってしまうため、異例ではあるが山口代表は「このままでは与党案に賛成できませんよ」と改めて言明した。

そもそもなぜ自民党が政治資金規正法の改正に後ろ向きなのかは解明されつつある。昭和の貧しかった時代に「札束を使って人身掌握する」という手法が使われていた。田中角栄氏の逸話などが有名である。札束には恩義を感じさせ人を驚かせ恐れさせる効果があった。

この時にはある意味「活金(いきがね」だった。時代を経てお金よりも信念問い時代になっても「札束で人の心を縛り付け共犯関係を作る」という慣習が残りそれが続いていたようだ。

中國新聞の生々しい一連の報道によると選挙期間中に車の中など人目がつかないところで札束を押し付けるという手法が使われるようになった。政治資金を透明化してしまうと「相手はもらっているが自分はもらっていない」という人や「あなただけですよと言われていたのにみんなもらっていた」という人が出てくる可能性がある。これは自民党の内部の人間関係を崩壊させることになる。お金の使い方に品のない人は嫌われる。

岸田総理は外務大臣や政調会長などの経験が長く選挙対策本部長や幹事長などの「札束の現場」にはあまり関与してこなかった。だが、茂木敏充氏は幹事長として現場にどっぷりと浸かってしまっている。彼のお金の使い方の品性が丸裸になってしまうのだ。

ただ、麻生氏はこうした「札束の現場」にはあまり関わっていない。

麻生太郎氏はかつて「公明党はガンだった」と発言したことがある。彼が嫌っている「所詮は地方議会上がり」の菅義偉氏が創価学会と個人的なパイプを持っていることもあり公明党を好ましく思っていないのだろう。「公明党に振り回されたくない」と個人的に意地になる傾向がある。

このため麻生・茂木連合は国民民主党や維新を政策連合に引き入れようと画策した過去がある。他の政党を引き入れることで公明党の影響力を下げようとしたのだろう。

今回の協議では維新が乗り気になっており「法案を「維新が賛成できるもの」と「賛成できないもの」の2つに分けた上で賛成してもいい」という分離採決提案が出ている。維新の馬場代表の公明党に取って代わりたいという(おそらくはかなり個人的な)野心が見え隠れする。

有権者は既に政治資金改革には興味を失っているのではないかと思う。だが協議が進めば進むほど国民生活そっちのけで権力に群がりたいという政治家のあさましい姿ばかりが目に入る。この醜悪さが「自民党ではなく政治全体」の不信感につながっているのだろう。

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