Twitterのタイムラインで頭がいい子の家のリビングに図鑑があるのはなぜかというエッセイを見つけ、我が意を得たりと思った。
子供が「頭が良い」というのはお勉強ができるという意味だろう。決してIQが高いという意味ではないはずだ。この文章を読むといくつかのことが分かる。
- そもそもリビングがあるにはお金持ちの家だ。
- 母親がつきっきりで「この子は何に興味があるのかしら」などと面倒を見ることができるということは、その母親が専業主婦か時間の自由が利くような職業に就いていることを意味する。
- そもそも、子供に「学習環境を整えよう」などと思うのはかなり意識の高い家庭だ。子供にタブレット端末を与えておくと黙って黙々とゲームなんかを始める。自分の時間が欲しい両親はタブレットを与えてしまう。そこで退屈な図鑑なんか見ようという子供はいない。
つまり、ここから浮かび上がる家庭環境は、両親ともに大学を出ていて学習が好きであり、なおかつ母親に時間の自由がある家庭ということになる。これは現代の家庭ではアッパークラス(それもかなり恵まれた層の)の部類に入る。そもそも、図鑑を複数揃えられるというのはお金に余裕があるということなのだ。
これとは逆に親が忙しく、学習意欲がない家庭はどうなるのだろうか。忙しいからといって自分のスマホやタブレットを与えておく。すると早いうちから刺激に反応してただただ時間を過ごす子供に成長するのだ。マルチタスクのスマホは人の集中力を奪うという研究結果もある。気が散りやすくなる訓練をしているということだ。
つまり、この文章は「お金のある親の子供は金持ちになる可能性が高い」ということを言っているにすぎない。現在一番高価なリソースは「子供と一緒に過ごす時間」なのだが、これに同感する人は多いのではないだろうか。図鑑は余裕のある家にたまたま置かれているだけという可能性があるのだ。