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イギリスはひどい国

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EUの離脱騒動を見ていると、つくづくイギリスの政治家ってクズだなあと思う。離脱派の言っていることはほとんど嘘だった。保守党で離脱派を牽引したボリス・ジョンソン氏は、党首選に出馬する間際に後ろから仲間に裏切られた。また、政権の外から離脱派を煽っていたUKIPのナイジェル・ファラージ氏は党首を辞任した。離脱派を煽るのは好きだが、離脱の手続きみたいな面倒なことはやりたくないようだ。「自分の人生を取り戻す」などともっともらしいことを言っている。現在、イギリスは土地の値段が下がり続けている。
イギリスの政治家がひどいのは今に始まったことではないらしい。
第一次世界大戦で破れたオスマントルコ領域の諸民族にむちゃくちゃな約束をしたので、現在まで続くアラブとユダヤ人が対立する構図ができた。だがその裏でちゃっかりとフランスと密約(サイクス・ピコ協定)を交わして地域を山分けする約束をしていた。この結果作られたのが、現在のシリアとイラクで、中東が大混乱する原因になっている。シリアから難民があふれてヨーロッパは大混乱しているのだが、その原因を作ったのはイギリスなのだ。
イギリスは中国にもいろいろ仕掛けている。インドや中国との貿易がうまくゆかなくなったので、中国に麻薬を売りつけた。清が反発すると、けしからんといって戦争をふっかけて香港をぶんどった。中国はこれがトラウマになり、今でも西欧世界がつくる秩序に懐疑的だ。
第二次世界大戦では中国を引きずり出す政策にでた。日本の戦力を消耗させるためだ。国民党の蒋介石を引っぱりだして「沖縄をあげるから」などと誘った。国民党は日本と対峙して疲弊してしまい、日和見を決め込んでいた共産党との対決に破れることになった。その結果、中国大陸は第二次世界大戦後共産化してしまう。アメリカもイギリスも、第二次世界大戦後の国民党を支援することはなかった。それどころではなかったという事情もあったのだろうが、日本が何かとアメリカ中心の秩序に反対したがる共産主義国家と対峙しなければならないのは、イギリスのせいだと言えるだろう。
イギリス人政治家や外交官には罪悪感がない。あることないことを吹き込み、相手が信じて行動しても「騙されたほうが悪い」と開き直る。後の残るのは混乱だけである。
そんなイギリスで民主主義が発達したのは何故だろうと考える。実は民主主義が発達したのは、イギリスのリーダーがクズだったからなのかもしれない。何事も最初に言質を取っておかなければ不安だし、時々政権を変えないとどこまでも増長することになるだろう。何か意外なことが起こるたびに「騙された」と立腹していては身が持たないのではないだろうか。
ではなぜイギリス人は簡単に他人を騙すのだろうか。国が貧しく他人から略奪するしかなかったからだという仮説を立ててみた。植生が貧しくろくな作物が取れそうにないからだ。たしかに以前のイギリスの食料自給率は30%程度だったのだそうだが、現在では70%程度にまで改善してきているのだそうだ。山岳地帯が少なく農地が豊富にあったことが自給率の向上につながっているのだという。直接補助制度がうまく機能しており、国内の農家は保護されているのだそうだ。
だが、もともとのイギリスの植生は貧しい。そのために農業に対する潜在的なあこがれがあり、土地を略奪して農業作物を安定供給するような体制が取られた。アイルランドを支配すると、アイルランドから食料を略奪同然で買い取ることになった。アイルランド人はわずかな農地でジャガイモを作っていたのだが、病気が蔓延し、人口が激減することになった。イギリス人はろくな保護を与えなかったので、多くのアイルランド人がアメリカに逃亡したのだ。
ガーデニングがイギリスでブームになったのも、もともとの植生の貧しさの裏返しだ。各地から植物を集めてきて自慢し合ったのである。
食事も貧弱だ。イギリスの名物料理といえば、ジャガイモとタラが有名だ。その他にヨークシャープディングというものがあるが、肉を十分に食べられない人たちが腹持ちを良くするために作られた料理だとされている。
そのように考えると、日本で民主主義が根付かないことに対する幾ばくかの慰めを得ることができる。日本は植生が豊かで作物が豊富に取れるので、他人を騙さなくてもなんとか食べてゆくことができたのだろう。他人を騙してのし上がろうとする支配者が表れても、集団圧力がかかって潰されることになる。同じ民族(もともとは違っていたのかもしれないのだが、なんとなく今では共存している)でゆるゆると過ごすことができる。
いずれにせよ、民主主義社会を生きるのであれば、政治に過度な期待をしないほうがよさそうだ。「ああ、この人嘘をついているかも」と思っているくらいがちょうどよいのではないだろうか。民主主義はそういう国で生まれたのだ。


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