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「バングラデシュから無言の帰国 」に対する疑問

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バングラデシュから7名が無言の帰国をした。この様子はテレビ中継されたが、この報道にはいくつか疑問がある。
この人たちは国家事業に携わって殉死したわけだが、どうして安倍首相は出迎えなかったのだろうか。まさか、テレビ中継しただけで「なかったこと」になるのではないだろうか。
岸田外務大臣は「日本人の安全確保に万全を期す」と語っている。しかし、具体的に何をするのだろうか。今すぐ魔法のようにイスラム原理主義者を掃討してくれるのか、それとも24時間警備でも付けてくれるのか。何も実効性のある対策は打ち出せないのではないか。
実効性のない対策を打ち出して「今まで通りに経済活動に従事せよ」というのはあまりにも無責任だ。普段通りの生活を送ることがテロに屈しないことだという理屈は分かるのだが、これを実際に危険な目にあっているひとやその家族に言えるのだろうか。百歩譲って経済活動で渡航している人がほとんどだと仮定しても、国家プロジェクトで渡航している人たちや地方で貧困対策に携わっている人たちにも同じことがいえるだろうか。
逆に「危険があるから、全ての地域から撤収せよ」という野党側から予想される反撃にも問題はありそうだ。日本の経済が「援助」に依存しているのは確かなので、そうした利権を失ってでも撤収すべきなのかを真剣に議論する必要があるのではないだろうか。
日本は、海外で危険に晒される人たちの貢献と犠牲なしには経済が成り立たない国になってしまったようだ。その状況を作ったのはアメリカを中心とする中東への介入だったわけだが、やってしまったことは取り返しがつかない、だから、具体的な対応策はないし、いつ襲われるかは分からないが、国のためにがんばって欲しい、とか、死んだら政府専用機で迎えにいってやる、と正直に国民を説得するべきだった。
もし、同じような状態で自衛隊員が亡くなった場合にも、防衛省の管轄だということで中谷防衛大臣を使いにだすのだろうか。外務大臣に行かせるというのはそれと同じことだ。それとも公務員と契約会社では扱いが違うのだろうか。