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舛添人民裁判でマスコミが抱えたリスク

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舛添都知事叩きが終わった。叩いている都知事が辞めたからだ。都議会はリオデジャネイロオリンピックに派遣団を出すようだが、高額な支出が問題になっている。しかし、都議会議員を辞めさせろというほどの盛り上がりは見せないだろう。結局、何も変わらなかった。
しかし、今回の件で「危険だな」と思ったことがある。マスコミは家族のところに押し掛けたようだ。子供がいじめられ、奥さんも精神的な苦痛を伴う対応を迫られたようだ。「政治で飯を食ってるんだから、当然」などと思う人もいるだろうが、BPOにでも提訴されれば、確実に是正勧告が出そうだ。
舛添さんがBPOに提訴したり、裁判に訴えるとは思えない。今行動を起こせば叩かれるだろう。同じように「この人は訴えてこないだろう」という人に市川海老蔵がいる。まだ治るか分からない奥さんの病状を暴き、本人が何度も「もう取材は遠慮してほしい」と言っているのに付け回している。しかし市川海老蔵の場合はテレビで食べてゆかなければならないため、関係を断ち切れない。雇い主でもあるテレビ局はそのことをよく分かっているのだろう。報道は子供の目にも入るわけで、立派な人権侵害と言える。「コンプライアンスにうるさい」と言われるテレビ局だが、実際には人権そのものには無頓着なのだ。
しかし、舛添氏は既に悪役認定されているのでマスコミを利用して商売ができるとは思えない。故に、勝てる裁判なら対決する可能性も低くないだろう。公人で安心だと思って叩いたのかもしれないが、大きな訴訟リスクに晒されていることになる。
週刊誌も裁判を多く抱えているが、裁判対策も行っているそうだ。記者を使って「勝てる」材料を集めたり、裏取りをしたり、最終的には「これは本当は白ではないか」という裏取りもするそうである。週刊誌を真に受けて政策判断する人もいないわけで、最初から毀損される「信頼性」はない。大きな新聞社は正義の側に立ち、口答えできない人たちを叩くことに馴れているので、攻撃されると弱いのではないかと思う。訴訟で毀損される(従って失う)信頼も大きい。
大手マスコミは扇情的な報道で数字が取れることを学んでしまった。と、同時に大衆も麻薬のような煽動報道によって「正義の側に立つ」快感を覚えてた。今「舛添ロス」に陥っている視聴者は多いのではないかと思う。しかし、それはマスコミが今後大きな訴訟リスクを抱えるということを意味する。数字を追求すれば信頼性は毀損され、訴訟リスクも増すのだ。


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