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自称「国賓待遇」なのに岸田総理の訪米は全く扱われず 事前に心配されていた通りISの影響を受けたと見られるテロの未遂犯が捕まる

日本でも岸田総理の訪米は扱いが少ないがアメリカのABCニュースでは全く扱われていなかった。取り扱うべきニュースが多すぎてこぼれたという側面もあるのだろうが、そもそも最初から期待されていないのかもしれない。日本では「国賓待遇」が宣言されていたが、おそらくアメリカではよくある首脳の訪問の一つなのだろう。

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  • トップニュースはほぼ完全な中絶の禁止を決めたアリゾナ州のニュース。アリゾナ州が州になるまえ(160年前)にあったほぼ完全な中絶禁止法をuphold(支持)した。大統領選挙の接戦州ではBallot(住民投票)が行われ中絶の権利について見直しが進む見込みとなっており女性の選択肢を守りたい人たちの心は穏やかではないようだ。※1
  • ミシガン州の学校で銃撃事件を起こした子供の責任をとって両親に10-15年の宣告が言い渡された。このニュースは日本語でも記事になっている。
  • また別の春の嵐が北上しアメリカの南部から北東部にかけて被害が心配されている。
  • FBIが教会襲撃を狙った18才のアレクサンダー・マーキュリオを逮捕。ISの影響を受けていたと見られている。アメリカではラマダン明けにモスクワのようなテロが起こるものと予想していた。未遂に終わったとはいえその心配は現実のものとなった。マーキュリオ自体はLone WolfとされているがISへの忠誠を誓っておりISに代わってジハードを実行するつもりだったようだ。*2
  • 交通取締の警官が96発を発射。シートベルトをしていなかった容疑者のリード氏(26才)が警官に向けて発砲したようだが、応戦した警官の攻撃を受けてなくなった。母親は「彼ら(警官)が殺した」と泣き崩れていた。つまり警官には過剰防衛の疑いがある。現在調査が行われており今後過剰防衛だったかなどが判断される見込み。ボディカメラで映像を撮影しておりこれが警官に有利に働く可能性もあるようだ。警官が刑事訴追されるかどうかはわからない。CNNの報道は次のとおり。
  • トランプ氏が自身の裁判を遅らせようと画策したが失敗した模様。陪審員には厳しい信条調査が行われるようである。Gag Orderといういう聞きなれない言葉が出てきたが「箝口令」という意味だそうだ。ギャグはもともと「さるぐつわ」の意味だそうだが転じて何かを喋らないように命じることも意味するようになり、ドタバタ劇(日本語で言うギャグ)にも転用されたという。
  • オハイオ州で貨物列車事故を起こした鉄道会社が和解に向けた動き。
  • ニュージャージーで山火事。
  • ロードアイランドでヘリコプターの墜落事故があり人命救助が試みられる。
  • ウォルマートがお客さんに量り売りの過剰請求をしていた問題は和解に持ち込まれた。だが、返金を受けるには締め切りまでにウォルマートに問い合わせなければならないとしてABCニュースは注意を呼びかけていた。
  • 思い出深い日食の名シーンをもう一度……

最後の最後まで「最初のヘッドラインには出てこなかったが少しくらいはニュースになるのでは?」と考えていたが結局岸田総理の「キ」の字も出てこなかった。

アリゾナ州の中絶のニュースは少し難しかった。最初に聞いた時には「アリゾナ州の裁判所が160年前からあった中絶法を見直した」と解釈してしまったが、よく考えてみると160年前に女性の権利擁護などという考え方があるはずもない。

CNNで確認したところテキサス、アラバマ、ミシシッピ州を筆頭に全米ではほぼ例外なく何らかの「中絶禁止法」が存在するそうだ。キリスト教の根付いていたアメリカではかつて中絶は殺人だったわけだ。

だがロー対ウェイド事件をきっかけに連邦レベルで中絶禁止法が無効化された。

このロー対ウェイド判決が覆されたことで過去の法律や禁止令の掘り起こしが進んでいるということになる。CNNによるとクリス・メイズ司法長官は「自分が司法長官である限り女性も医師も起訴させない」と宣言している。そもそも女性に参政権がなかった頃の法律でありそんなものを蘇らせるのはおかしいではないかと主張している。

現在のアリゾナ州知事は女性で民主党所属のキャスリーン・マリー・ホッブズ氏。つまり州レベルで民主党の知事を選ぶか共和党系の知事を選ぶかで中絶の権利に大きな違いが出る。全米ではこのような係争が多く行われておりアリゾナはその最初の事例の一つとなった。

ABCによるとマーキュリオ容疑者はFBIによって土曜日に逮捕されていた。最初の容疑はISに物品支援をしようとしていたと言うものだったがのちになって具体的な教会襲撃を試みていたことがわかった。

ABCニュースを改めて聞いてみると、父親を襲って手錠をかけた上で銃を奪い静かなコミュニティのParishioners(聞きなれない言葉だが教区民と言う意味だそうだ)に攻撃を仕掛けようとした。Lone Wolfとされているところからおそらく環境に不満を持っていただけなのかもしれない。だがこうした人々に対して「復讐」を呼びかけるとそれを間に受けて応じてしまう人がいると言うことになる。こうした内側からの不満をテロとして未然に防ぐのはなかなか難しそうである。

ISの恐ろしいところは「キリスト教社会への報復」を呼びかけると自発的にそれに呼応する人たちが出てくるというところだろう。特に司令系統があるというわけではなく自発的なので組織性がなく従って完全に社会から取りのぞくことは難しい。USA TodayはISの教えを広め、ISに連絡を取り運動に加わろうとしていたようだが、最終的に自ら犯罪を犯して忠誠心を示そうとしていたようだ。

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