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日本の消費市場について調べる

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海外にいる知り合いが「日本のアパレル市場について詳しい知り合いはいるか」と聞いてきた。不幸なことに知り合いはいないのだが、概況について調べたのでまとめておく。
日本市場ではオンラインでの消費に成長の機会がある。複雑な流通経路がボトルネックになっているので、成功しているオンライン・プロモーション手法を持ち込めば十分勝機のある市場だろう。
日本の消費市場は縮小はしていないが、伸びてもいない。アパレルなどの市場は長期低迷していて、産地の中には苦しくなっているところも多い。円安になってからは中国からの「爆買い」が増えた。銀座に中国人が溢れる。これを業界では「インバウンド消費」などと言っている。ハイ・ブランドを支えているのは日本人ではなくインバウンド消費だ。
デパートは1990年代から長期低迷傾向にある。GMSと呼ばれる全国チェーンの大型総合スーパーマーケットが伸びていたがこのところ低迷傾向が続いている。消費者が衣料品をユニクロやしまむらなどの専門店で買うようになったからだ。普段の買い物はコンビニですませる人も多い。
日本の産業には寡占の業態が多い。例えばハンカチは2社が総売上の80%を占めている。これは日本の流通経路が複雑だからだ。ところが、寡占の会社は流通経路の新規開拓ができないので、全体として新しい需要が開拓できないという問題がある。その中で唯一伸びているのが、オンラインショッピングだ。東洋経済オンラインは2014年に次のように伝えている。

経済産業省が今年8月に発表した『電子商取引に関する市場調査』によると、2013年の日本のBtoC-EC市場は前年比17.4%増の11兆1660億円に成長し、全商取引に占めるEC化率は3.67%だった。この市場規模が今後どの程度まで成長するかが注目だ。eコマースの最前線は、小社の「eコマース強化書」でEC専業事業者や研究機関の予測を総合すると、東京オリンピックが開かれる6年後の2020年には市場規模は約20兆円台、EC化率も6~7%にまで倍増すると想定されている。

しかし、2020年になってもEC化率は全体の6〜7%に過ぎない。まだまだ進展の余地があるものと考えられる。
オンラインショッピングでは消費者はこれまでの経験をもとに買い物をするので、どうしても価格重視になりがちで、新しい商品やサービスに気づきにくい。これを打破する解決策が求められる。そこで期待されるのがソーシャルネットワーキングだ。
例えば「ソーシャルギフト」という仕組みがある。ソーシャルネットワーキングシステムを使って気軽に小額のギフトが送り合えるという仕組みである。また、PinterestやInstagramなどで新しい商品に気がつき拡散するということも起こりえるだろう。
日本の大手パートナーと協業して日本市場に学びつつ、アメリカやヨーロッパなどで先行しているオンラインプロモーションのベストプラクティスをを有効利用できれば、複雑な流通経路という障壁を回避しつつ、日本市場でも成功できる可能性があるのではないだろうか。