ざっくり解説 時々深掘り

Nor’Easter(アメリカのニュー・イングランド地方を襲う春の嵐)とディズニーの委任状争奪戦

メジャーなニュースは災害(台湾の地震とニューイングランドの春の嵐)だったが、細かいニュースもいくつか入っていた。最後の方にサラッと触れられていたがディズニーのニュースが興味深かったので調べてみた。経営方針をめぐって委任状争奪戦となっていたそうだ。委任状はPROXYというのだがこれを知らないと何が行われているのかがよく聞き取れない。

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  • 台湾で大きな地震があり複数人がなくなり、鉱山労働者が閉じ込められている。春の嵐を押し退けてこれがトップニュースだった。
  • アメリカの東北部で発達したトルネードがNor’Easterに発達した。Nor’Easterはこの季節の風物詩として説明なしに使える用語なのだそうだ。春の嵐と言ってもかなり強烈なもので、大きな車がひっくり返ったり家の屋根がなくなったり、強烈で飛んできた枝に当たってなくなった人などがいる。
  • 鳥インフルエンザ(Bird-flu)が人に感染した。200万羽の鳥が殺処分になった。
  • サファリに参加していた人が殺された。象が怒って車に突進してくる(to ram into)映像が衝撃的だ。
  • バイデン大統領はネタニヤフ首相を非難(to condem)した。食糧支援に当たっていたボランティアの人たちが殺されたため。明らかに他と区別されていた車列(convoy=護送船団・護送車列)が射撃されたと繰り返し強調されていてイスラエルの恣意的な妨害を印象付ける内容になっている。またイスラエル議会には人質奪還を訴える人たちが乱入(to storm)した。
  • モノ言う株主(activist)が役員の席を要求したが株主の投票で否決されたとのこと。CEOは株主に感謝の意を伝えた。
  • コストコがOZEMPICを含む肥満治療薬を販売するが、ヘルスケアの会社と組んでコンサルテーション付きで179ドル(+薬代)で販売する。OZEMPICは元々糖尿病の治療薬だが痩せ薬として使われて問題になったりしている。
  • アメリカの航空会社は預け入れ荷物にDynamic Pricing(日時によって料金が変わる)を導入する。ダイナミック・プライシングは日本でも説明なしで使われるようになった。

最後はやはり日食のニュース。日食を観測するためのメガネなどの準備が進んでいる。人々は経済的にも日食を観測するための観光客に期待しているようだ。ABCはナショナルジオグラフィックと組んで特別番組をやるという。たかが日食と思うがアメリカ人は依然ワクワクが止まらない様子。

ディズニーのニュースはかなり複雑だったためあまりよく理解できなかったので背景を調べてみた。

2026年末までの契約になっているアイガー氏は後継者選びをしている。トライアン・ファンド・マネジメントのネルソン・ベイツ氏はこの計画に批判的でベイツ氏自身と元CFOのジェイ・ラズロ氏の取締役会入りを提案していた。

また別のアクティビストであるブラックウェルズ・キャピタルはテーマパークの不動産事業の分離と会社の三分割化を要求していた。分離すれば株価が68%値上がりすると主張していた。

ディズニーは動画配信サービスで大きな損出を出していて一部のアクティビストたちから強い圧力を受けていたそうだ。Bloombergは三つ巴の乱戦と書いている。

そもそもなぜそんなことになっているのか。

アイガー氏は停滞するディズニーを救済するために2022年末に退任後11ヶ月でCEOに復帰していた。コロナ禍で映画産業やテーマパークなどが不調に陥った。この時にアメリカのエンターティンメントはストリーミング(おうち映画)中心となってゆくのだが、ディズニーはその流れに乗れていなかったようだ。しかしながらストリーミングサービスは多額の赤字を出しているため苛立った株主が委任状(PROXY)争奪戦を行なったが、アイガーCEOがかろうじて防衛できたということになる。

かつてはさまざまなメディアを買いメディアジャイアントと呼ばれたディズニーだがずっと勝ち続けることはできないのだと感じた。

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