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大阪関西万博に新しい懸念が浮上 地震などの災害時に夢洲に閉じ込められる恐れ

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大阪・関西万博に新しい懸念が浮上した。そもそも地震に弱く建物を建てるのにふさわしくないそうだが地震が起きると夢洲の外に出られなくなる可能性があるそうだ。

もちろん技術的な問題もあるのだが、心配なのは政府、運営事業者、大阪府市の対応である。政治と金の問題の後始末の様子を見ていると問題が起きた時に今の政権が責任をとってくれるとはどうしても思えない。また維新も「赤字の責任」の所在と対応を明らかにしていない。

もちろん万博を楽しみにしている人もいるのだろうし、維新を信頼している人もいるだろうから行くのを止めるつもりはないが、旅行保険に入るなどそれなりの覚悟をしてチケットを買ったほうがいいのかもしれない。

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大阪の準キー局ABCが「大阪・関西万博 災害時に会場孤立する恐れ 備蓄品の準備など検討」という記事を書いている。会場の夢洲は南海トラフ地震で最大震度6弱に見舞われることがわかっている。だが、津波による浸水はなく粘土質の土壌には液状化の危険はないとされているそうだ。

ただ退避には不安が残る。会場は舞洲や咲州などの埋立地を経由する必要がある。この舞洲や咲州は液状化する可能性があるとABCは伝えている。大会運営者側は15万人ほどの来場者に備えて備品の確保や避難のあり方を検討しているという。

このABCの記事を読むと「なんか怖いな」とは思うのだが「ああ一応は対応してくれているのだな」とも感じられる。

しかしながらAERAは全く違う内容の記事を掲載している。「大阪・関西万博 災害リスク上「夢洲」は最も危険、「建築物をつくるのは論外」と専門家が指摘する理由」というタイトルがついている。同じトピックを扱ってい流が主張が全く異なる。

AERAの記事が指摘するのは南海トラフ地震ではなく「近畿トライアングル」という活断層だ。南海トラフ地震の危険性が高まると周囲の弱い活断層が刺激されて動きが活発になる。これは能登半島地震を引き起こしたメカニズムだがその詳細は地震活動が活発になるまではよくわからなかった。その文脈で考えると南海トラフ地震よりも活断層による地震が先に襲う可能性の方が高いといえるだろう。

ABCの記事は万博担当者の言い分をそのまま伝えているが、AERAはこの主張の信憑性を疑っているようだ。夢洲でも液状化の危険はあるのではないかと分析している。

さらに地形も問題だ。なぜ運営がわざわざ危険性が高い夢洲を選んだのかはわからない。だが本州本土への出口が限られておりそこに人が殺到するので有事の際には危険だと言っている。

さて、どちらを信じるべきかということになる。

合理的に考えると「夢洲は安全だが他の埋立地は知りませんよ」という万博運営の主張が気になる。確かに万博の運営者は夢洲の外については責任が取れない。さらに言えば「なぜ他の埋立地と比べて夢洲だけが安全なのか」もよくわからない。単に対策はしています大丈夫ですというばかりだ。結局は信じるか信じないかということになる。

もちろん万博担当者の言い分を信じて「夢洲だけにはきちんと耐震対策がとられているのだ」と考えるのは個人の自由だ。人間洗濯機や空飛ぶ自動車などの大阪・関西万博が提示する日本の未来に夢を膨らませている人もいるだろう。その人たちの希望に水を差すのは心苦しい。

だが結局のところ何が起きるのかは地震が起きてみないとわからない。こうなると政治的な裏打ちに安心・安全の根拠を求めたくなる。

会場設営をめぐる問題は二転三転を続けており、現在は運営費の赤字の問題の責任の所在について出資者、大阪府市、維新の間に「見解の相違」があるようだ。維新の馬場代表は「赤字の政治的責任はある」としているが、経済的責任を負うとは一言も言っていない。仮に「代表を辞めます」が責任の取り方だったとすると、結局赤字は誰かが背負うことになる。

さらに心配なのが日本政府の責任の取り方だ。政治と金の問題を見ていると政府を運営している自民党の上の人たちは議員に対してもなんら説明はしていない。「あんな人たち」が国民に何か説明してくれるという期待にはもはやなんの合理的な根拠は何もない。

リーダーシップの欠如はさらに深刻だ。能登半島地震の初期対応を見ると岸田総理がこだわったのは「この災害を利用して自分の指導力を見せびらかす」ことだった。能登半島から離れた金沢で1,000億円超の予備費活用を表明して見せたが発災から2週間後のことだった。被災地の視察も行われたがついで程度の短いものであり地震そのものは他人ごと扱いだったことがわかる。

さらに被災地に入る入らないでネットは大騒ぎになり口汚い罵り合いに発展していた。仮に万博会場で地震が起きて人が取り残されても政府批判を声高に叫ぶ人たちと「いやあれば自己責任だ」と主張する人たちが出てくるだけだろう。なんの助けもないだけでなく「好き好んで遊びに行ったのだから政府に頼るな」などと言われかねない。

こうなると何かあった時に責任をとってくれる人や面倒を見てくれる人はいないことが容易に想像できる。クレジットカード付帯の保険をつけておくなどして「自己責任」で有事に備えるかない。あるいは、一度出かけると決めたなら、万博運営の人たちのいうことを信じて嫌なことは考えないようにしたほうがいいのかもしれない。確かに能登半島地震のようなことは滅多に起こらないだろう。

何を信じて行動するかはひとえにその人次第だ。

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