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郵便料金の値上げやライドシェア解禁など「通信と運送」に大きな変化

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このところ政局問題ばかりを扱っている。政策の上でもぼちぼち大きなニュースが出ているので一度まとめたい。今回のテーマはライドシェア解禁、郵便料金の値上げ、送料無料の全面禁止見送りである。どれも運輸・通信に関わっている。具体的に言えば「何か・誰かを運ぶ人」の問題である。

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ライドシェアが限定解禁される。アメリカでは市場コントロールが一般的なのだが、日本はそうならないようだ。まずライドシェアが行えるのは自治体やNPOなどの非営利系の組織のみになるようだ。またタクシーの会社が車両管理や運転手の管理などを行う。団体を間に入れることで政府の統治に組み込むというのが日本の考え方のようだ。実際に制度ができないと評価は難しそうだが、まずは第一歩ということになった。

次に普通郵便の料金が30年ぶりに値上げになりそうだ。背景にあるのは郵便事業の赤字だそうだが、66%が人件費なのだという。電子メールの普及や民間事業者の充実などがありユニバーサルサービス(日本全国の配送網を確保する)のが難しくなっている。審議会の議論が始まった段階なので「値上げの方針」ということになっている。ただし今回値上げしても再来年にはまた赤字になる見通しだ。特に他に選択肢がない過疎地への影響が懸念される。

送料無料の表記を禁止すべきだという声が出ていたが実施は見送られる。政治が「派閥と金の問題」で揺れており思い切った判断はできなかったようだ。業界団体は多重下請けの弊害が「下の方の人たち」を犠牲にしていると反発している。つまり本当の問題は送料無料の是非ではなく多重請負の禁止なのだがこちらは手付かずのままである。議論を「表記問題」ではなく雇用問題に転換してほしいとは思うのだが、政治家のリーダーシップは期待できそうにない。

「何もしていない」と批判されることを恐れてか「置き配」を選ぶと5円分ポイントを補助しますよというプログラムが検討されているという。どれくらい効果が出るかはわからないが限られた予算の中で対策を考えるとこれくらいのことしかできないということなのかもしれない。

少子高齢化で「運ぶ人」が減っている。だが構造的な問題の解析は進まず「とりあえず目の前のことをなんとかする」方向で諸々の変更が進んでいるようだ。また都心部よりも地方の方が深刻な影響を受けているという共通点もある。例えば通販の問題ひとつとっても、都心部には物流拠点のIT化などの対策が可能だが地方にはそのような余地はない。民間業者が撤退してしまえば例え割高であっても日本郵政しか担い手がいないという地域が出てくるかもしれない。

とはいえIT技術を使った思い切った改革もできず自民党の支援団体に配慮した妥協的な対策がとられることになる。ライドシェアの解禁議論がなかなか進まず折衷式の妥協策が採用されたのはその象徴と言えるかもしれない。

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