国民が食事を我慢する中、国会は派閥と金の問題で大揺れ 岸田総理はため息をつくばかりで何もせず

国会では派閥と金の問題を中心に集中審議が行われた。この日の主役は直前に1,000万円キッキバック報道が出た松野官房長官だった。どのような立場で答弁させるべきかで「議運」は紛糾したようだ。

久々の大型疑獄の予感に沸き立つ国会だが国民生活はじわじわと苦しいものになっている。特に切実なのが食費の値上げだ。10月の家計調査では食料支出が実質4.4%減っているという。つまり去年に比べて食べ物を我慢する人が増えているようだ。一方で経常黒字は空前の好調さを見せている。日本全体が貧しくなっているのであればまだ我慢もできるのだが実はお金が流れていないだけという実態がある。

対策を打とうと思えば何かできそうな気はする。だが、国会で構造的議論は行われることはない。パーティーに忙しく政策を勉強するような時間が取れないのだろうと皮肉も言いたくなる。

松野官房長官の更迭要求論まで出てきたが、岸田総理は目の前で打たれ続ける松野官房長官をため息混じりで注視しているばかりだった。






総務省が10月の家計調査を発表した。物価高で食べ物を切り詰めている人が多いという結果で、日銀の「ゆとりがなくなった」という調査と整合する結果となった。食料は実質4.4%減となっている。特に野菜のマイナスが大きかったそうだ。スーパーで値段を見てため息をついて「今日はおかずを減らそう」と考えている人が増えていることがわかる。困窮子育て家庭もじわじわと増えていて「1日3食食べられない」という家庭は珍しくなくなりつつあるようだ。こちらはTBSの報道である。スーパーマーケットには食料が溢れているが手が出ないという人たちがいる。

調査をした日の前日の「食事の回数」を聞いたところ、「2回以下」と答えたのが子どもは24%、親では70%に上りました。

10月は暖かい傾向だったため暖房の節約もできていたようだ。今後寒くなってくると高騰している燃料費やエネルギー代が家計を圧迫することも予想される。

一方で経常収支は好調が続いている。また、給料を5%以上引き上げてもいいと考える企業が32%あることから「海外で事業を展開したり子会社を持っている会社」は業績が好調であることがわかる。

仮に国全体にお金がないのであれば「もう運命と思って諦めるしかない」と言えるが、実際にはそうではない。局在化する儲けを国内に循環させる政策はおそらく1つではないのだろう。持っている知恵を総動員して好循環を実現させる必要があるだろう。

という前置きで国会の事情を見ると、もはや怒りを通り越して物悲しさが漂ってくる。確かに巨額の裏金疑惑ではあるのだが5年で1,000万円を超えるという程度だ。政治活動と選挙活動を維持するために法の目をかいくぐって涙ぐましい努力が行われていることがわかる。

国会では直前に松野官房長官のキックバックの報道があり朝から松野さんにどのような立場で答弁させるかで揉めていた。結局「政府の立場なのでお答えは差し控える」というフレーズを封印することで合意したようだが「捜査の途中なので答えられない」との答弁を繰り返していた。

野党にも色々と事情がある。国民の支持が集まらない立憲民主党はこのチャンスを生かして勢力を拡大したい。裏を返せば与党の政治姿勢を責める以外に勢力を拡大させる切り札がない。さらに、今回のスキャンダルは立憲民主党が見つけたものではなく、しんぶん赤旗の報道と大学教授の調査が起点になっている。また、白黒の判断をするのは検察と裁判所だ。

馬場代表率いる維新もどこかチグハグだ。馬場代表は維新は全部馬場派ですと発言し失笑を買っていた。馬場代表は政権批判はせずにひたすら自分達の成果のテレビ宣伝に時間を費やした。テレビ中継を無料の広告媒体だと考えているのだろう。万博に賛同してもらっているので敵対野党という立場は取りにくい。だがやはり岸田政権は泥舟であるという認識はあるようだ。このため「立憲民主党が不信任案を出してくれたら乗っても良い」との姿勢だ。立憲民主党が不信任案を出してくれれば自民党に「文通費改革」を迫り不信任案反対に転じるという考えなのかもしれない。

与党は「ちょっとした」政治資金の捻出でパニック状態に陥っているが野党も誰かにフリーライドして勢力を伸ばすようなことしか考えられなくなっているという事情が見えてくる。どうも全体的に出口が見出せなくなっているようだ。

今回の政局の流れは明らかに検察が作っている。検察がマスコミに情報を流し、それを伝える。その度に自民党に「激震」が走り、岸田総理はその対応に追われると言った具合である。岸田総理は「リーダーシップ」どころかヨットのように検察が作る風に乗って漂っていると言って良い。

共同通信は「松野氏「答え差し控える」を連発 岸田首相は大きくため息」という記事を出している。目の前で炎上する官房長官をただただ見つめているだけで何も動き出そうとはしない。

国民生活が改善する見込みはないが、将来の増税に向けた動きは着実に進んでいる。少子化財源として1兆円程度を既存の医療保険に混ぜ込む案が確定しそうだ。17兆円になる防衛予算増額財源議論は迷走している。とても落ち着いて議論ができる環境ではないため「今年は決めずに来年に持ち越す」という案が出ている。ただ、こちらもゴールは変えずに2年で徴収するという案で決着しそうだ。つまり先延ばしすればするほど1年に徴収する金額が過大になる。

歴代の官房長官は政権を裏から支えてきた。適材適所の観点から見れば自民党の内外に広い人脈を持ち「相手を刺す」材料を持っていたとしても「刺されるような弱点を持たない」ことが重要だ。

松野氏はもはや疑惑のセンターステージにたされており渦中の人扱いになっている。現在は賃上げに向けて政策を総動員すべき時期だが散発的に法人税増税の話や国民負担の話が出始めておりこのままでは春闘にも悪い影響が出るだろう。政府・与党全体として見せ方を工夫するというようなことはできなくなっている。安倍政権・菅政権のやり方が好ましかったとは決して思わないのだがそれでも執行部が変わるだけでこれだけ大きく崩れるのかと感じる。

政治の問題というと将来の負担増とか少子高齢化の問題ばかりが伝えられる。このため興味を持っても負担を押し付けられるばかりだと感じる人は多いかもしれない。だが日本は教育程度が比較的高く優秀な人材が揃っている。さらに海外に多くの債権を持ち国家全体の経済はそれほど悪くない。つまり明るい材料もそれなりには存在する。

現在の国会は日本の国力を必ずしも生かしきれていないように思える。

Google Recommendation Advertisement



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です