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熊本・大分が激甚災害指定されないたった一つの理由

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追記:激甚災害できない理由は「外遊を控えていて安倍首相が議長になるのをためらっているからだ」と書いたのだが、どうやら間違いだったようだ。安倍首相が現地入りしてから激甚災害されたので、「安倍首相が現地視察をした結果、激甚災害された」という順番にしたかったようだ。安倍さんの指導者としての絵を作りたのではないだろうか。ヘリコプタで現地入りして、その日のうちにとんぼ返りした。
後(5/17)に安倍首相は「私は事実上の災害対策本部のトップだ」と国会答弁した。ということで、災害発生後一ヶ月以上経っても河野担当大臣に災害対策本部のトップを任せている。理由は外遊を優先させるためだという。リーダーシップを発揮しているように見せたかったわけだが、面倒なあれこれは部下に押し付けていることになる。
以下は、激甚災害される前に書いたバージョン。
熊本・大分で大きな地震が起こってからしばらく経った。最初の地震が起きて熊本県の知事が「激甚災害指定してください」と要請したがはねつけられたそうだ。河野太郎担当大臣は「書類が上がってきたら検討する」と言っている。激甚災害指定されると、被災者のお金の心配が少しだけ(それでも家をどうやって建て替えようなどの問題は残るらしいのだが)軽減される。ささやかだけど応援になる。
なぜ政府は早急にしてあげないのか。いろいろ考えてみたがよくわからなかった。だって早晩指定されるわけだし、遅ければ野党に批判されるのも分かりきった話だ。
いろいろと読んでみて理由がわかった。それは安倍首相がサミットを控えているからだ。その下準備でゴールデンウィークにヨーロッパにお出かけするのである。ここで激甚災害指定されるとどうなるのか。安倍首相は最高責任者になってしまうのだ。さすがに議長さんがお出かけするのはまずい。だから、民進党の江田のさんは「今のところの最高責任者は河野太郎担当大臣だ」と言っている。
もし地震が1度で済んでいれば、ちゃちゃっと現地視察して「力強く現地指導なさる首領様」的な絵を撮らせてからヨーロッパに飛びたてたかもしれない。でも、なかなか収まらないし、「待ってられないよね」と思ったんだろう。
分かりやすい。遠く東京から離れている九州で地震が起きても、官邸は知ったこっちゃないと思っている。それよりも国際的な晴れ舞台の方が重要だ。だっていい格好できるし、「世界を動かしてる」感が味わえるから。常々、安倍さんはお取り巻きたちに「国会議論で首相が拘束されると外遊できない」と言わせている。内政より外交がやりたいんだろう。それも難しいやつじゃなく、現地にお金を配って喜ばれるのが見たいのだ。外交でも北方領土交渉見たいのは無理。
でも、そこで安倍さんの姿勢を非難するのは間違っていると思う。国民は自民党政権を圧倒的に支持しているわけだし、今年の参議院選挙でも自民党が大勝すると言われている。
理由はいくつかある。安倍さんは支持してくれたり票を入れてくれる人には惜しげもなく配る。だから支持者も多い。それに国民も、外遊で各国首脳と格好よくポーズを取るわが国のリーダーの顔が見たいんじゃないだろうか。「ああ、やっぱり日本は先進国だなあ、誇らしいなあ」と思えるから。こういうお金じゃないベネフィットを感じている人も多そうだ。
「選挙と国際的名声のために合理的に判断する人」なんだろう。みんなそういう人が好きで総裁に選び、総理大臣にしたんでしょ?
マスコミの人も「安倍首相は内政よりも外交を優先した」とは言わない。物産館の買い物の列を映して、ふるさと納税について伝えたら、視聴者も罪悪感は感じなくて済むって思っているんじゃないだろうか。