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「誰も私のようには我々の勝利を信じていない。誰もがだ」焦りを募らせるゼレンスキー大統領と滞るアメリカの支援

世界の関心がイスラエルに向かう中、ゼレンスキー大統領が焦燥感を強めている。関連記事を集めウクライナの現在地を確認しておきたい。秋の泥濘期に入りこれまでの支援と徹底抗戦のあり方を再考する動きが出ている。

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法律を厳密に解釈すると大統領選挙は実施できないそうだが来春に大統領選挙をやる可能性がある。既に大統領に批判的な対立候補が出ている。一旦停戦して和平交渉を行うべきだという主張をしているとも伝わっている。

アメリカ合衆国は新しい支援策を打ち出した。だが産経新聞はこれで一部財源が枯渇したとかなりネガティブな伝え方をしている。実際に下院ではイスラエル支援を優先させウクライナ支援を切り離した予算案が可決された。この予算案すら上院で承認される可能性は低い。今後アメリカの金銭的支援はしばらくあてにできそうにない。

そんな中ゼレンスキー大統領は焦りの色を濃くしている。記事はCNNだがタイム誌のインタビューを紹介した内容だ。

ゼレンスキー氏は「誰も私のようには我々の勝利を信じていない。誰もがだ」とし、「支援国にその信念をしみこませるためには私の全てのエネルギーが必要だ」と明かした。

CNNはゼレンスキー大統領の視点だけを紹介しているのだが、共同通信は側近たちの状況についても言及している。同じタイム誌の記事を基にしているものと思われるが、記事から受ける印象は大きく異なる。

ゼレンスキー氏は「私ほど勝利を信じている人間は誰もいない」と訴えたが、側近の一人は「大統領の頑固さが、戦略や方向性を示そうとする政権の努力に水を差している」と指摘。全土奪還にこだわるゼレンスキー氏に早期の停戦交渉入りを持ちかけることはタブー視されているという。

米欧は明らかに支援疲れを起こしており、国内的にも「徹底抗戦はやめるべき」という意見がある。さらにそこに「米欧も停戦を持ちかけた」という話が伝わる。こうした報道がリークの形で盛んに出てくるようになった。

米欧がゼレンスキー大統領に和平交渉を持ちかけたという話があるがゼレンスキー大統領は否定している。

EUは今のままではウクライナを加盟させられないと考えており司法改革などを実行すれば将来に道が開けるといいづつけている。このような状況を考えるとゼレンスキー大統領の気持ちがいつ折れても不思議ではない状況になっている。

とはいえ今になって抵抗をやめてしまうとゼレンスキー大統領には何の成果も残らない。領土は失われEUやNATOの庇護も受けられない。国内の汚職も収まったとは言えない状況で内政的な改革もこのまま進展しないかもしれない。そんな状況に置かれている。

ウクライナは既に秋の多雨による泥濘の季節に入ったものと思われる。反転攻勢が行われていた時期には「支援の成果が出ている」という報道も可能だが反転攻勢ができなくなると「この時期に一旦考え直そうか」という人たちも出てくるだろう。ウクライナにとっても支援している欧米にとっても「考え直し」の記事に入っている。一旦泥濘は冬の寒さによって凍結を迎え、また春先に気温が高くなると泥濘が緩む。

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