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木村江東区長事件から柿沢未途事件へ発展の兆し 問われる法務副大臣就任の経緯と議員の資質

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江東区長選挙でネット有料広告が使われたという事件が新しい進展を見せている。撮影場所が議員会館の会議室であり柿沢氏が関与していたことがわかった。さらに柿沢氏が区議達に現金を配っていたことも明らかになった。柿沢氏もこれを認めたが「違法性の認識はなかった」で乗り切りたい考えのようだが「本当に今回だけだったのか」という気持ちになる。と同時に「なぜこんな人が法務副大臣だったのだろうか」と言うことも知りたくなってくる。

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新事実は2つある。まず撮影場所が議員会館の会議室で、手配をしたのは柿沢未途氏だった。
次に地元区議に現金が配られていた。こちらも主語が柿沢氏の事務所になっている。

NHKが今回のお金の受け渡しについてやや詳しく書いている。区議戦と区長戦は同じ時期に行われるのだからたまたま陣中見舞いを出しただけと言う主張のようだ。ただ接戦になることはわかっている。本当にこれが柿沢陣営だけの「慣行」だったのかは気になるところだ。仮に柿沢氏を追い出す動きだったとすれば柿沢氏に協力的な区議の炙り出しにも使えてしまうからである。

柿沢議員の関係者は、NHKの取材に対し「同じ時期に行われた区議会議員選挙の陣中見舞いで、区長選への支援を求めたわけではないので、買収にはあたらない」としています。

時事通信の記事に触れられている「保守分裂」の経緯に関しては当ブログの別のエントリーで触れている。5期務めた区長が病気になり後継者を柿沢氏が応援しないとしたのが発端だ。萩生田東京都連会長が公認権を持ち出して「強い口調で支持を迫ったようだ」とFRIDAYは主張していた。

秋元司前議員が不在になり空白となったこの選挙区において柿沢氏がどう言う経緯で自民党推薦となり都連側はそれをどう考えていたのかも気になる。東京新聞は谷垣禎一元総裁の推しがあったと書いている。地元の感情とは別のところで何らかの働きかけがあったということのようだ。

意外なことだが柿沢氏はかつて蓮舫氏の側近だった経歴がある。その時の時流を見極め勢いのある人の懐に入り込む才能のある人なのかもしれない。だが勢いが翳りだすと先に都議の妻を離党させ、自分も追随したそうだ。見極めるのも早いが見限るのも早いということになる。政策によって所属政党を選ぶのではなく議員であり続けるための人間関係を重視しているということなのだろう。

信条で動く人ではなさそうだが遵法精神にも柿沢氏は一連の疑惑について「やったことはやったが悪いこととは思わなかった」と言う主張を通したい考えだ。

複雑な経緯で自民党入りしただけに東京都選出の議員から「除名にすべきだ」と言う意見が出ているという。自民党としてもできれば切り離してしまいたい案件だろう。誰が総務会で発言したのかは不明だ。

しかしこうなると、実力者には気に入られるが信条に乏しく遵法精神があまりない人が法務副大臣でよかったのかと言う気にはなる。総理の説明責任が問われるところだが既に「逃亡」を許してしまっており今後も答弁などを通じて総理大臣の口から説明が聞かれる可能性は高くないようである。

立憲民主党は柿沢氏の議員辞職を求めているが事件の拡大を受けて総理大臣の任命責任を追求したいところだろう。過去、側近に「逃亡」された蓮舫氏の追求に注目が集まる。

一方、維新は張り切っている。自民党都連の内情が明らかになるにつれて自民党を離反する人は確かに増えるかもしれない。選挙は12月3日告示、同10日投開票だそうだ。仮に衆議院選挙が行われるとこちらも維新にとってはチャンスになりそうである。区長戦である程度組織を作りそれを足がかりに城東に「陣地」を広げることもできそうだ。

おそらく今回の事件に衝撃を受けているのは女性区長のもとで子育て家庭にスポットライトが当たると期待した市民ではないかと思う。選挙の裏側が次々と明らかになる一方で、いざと言うときには部下の任命責任について何ら説明しない上層部が政治を動かしていると言う現実を直視し続けなければならないからである。

選挙当時のアンケートでは、地下鉄延伸・教育無償化・高校事業料無償化・子育てクーポンなどに期待が集まっていたそうである。

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