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おじいさんのおじいさんによるおじいさんのための政治 細田博之衆議院議長のヨボヨボ記者会見

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ストリーミングで細田博之衆議院議長の退任会見を少しだけ見た。体調が悪いことは一目瞭然だったが、後で報道を見ると「軽い脳梗塞」だったそうだ。会見は終始ヨボヨボとした状態だったがスキャンダルについて聞かれるとそこだけ早口になる。これでは難しい判断をしたり新しい価値観を身に付けることは難しいのだろう。体調が気になるところだが次回の選挙には意欲を燃やしているという。最後まで残るのは権力欲なのだ。

「おじいさんのおじいさんによるおじいさんのための政治」を象徴する会見だったが「セクハラを名乗り出る人がいないならそんなスキャンダルはなかったも同じだ」という主張も展開された。国家権力の中枢に異議申し立てをするのがどんなに難しいことなのかが理解できないのだろうと感じたが、この人にそれを言ってみてもはや仕方がないという気がする。そんな会見だった。

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細田博之衆議院議長が退任の記者会見を行った。ストリーミングで朝日新聞の記者が「異議申し立て」をしているシーンをみたのだが「ああ、これも儀式なのか」などと思いあまり真剣に見る気になれなかった。

細田さんといえば片方の目を開けるのが辛そうで言葉もはっきりしない。何を追求されても「この人に何を言っても仕方ないだろうな」という感じだ。だがスキャンダルについて聞かれると途端に早口になり否定を繰り返す。そしてまたゆっくりの口調に戻ってしまう。その繰り返しだ。

のちに時事通信の記事を読んだのだが軽い脳梗塞を起こされたのだそうだ。高齢者は労わるべきなのだしご病気もお辛かったことだろう。高齢者を労わるという観点から、周囲があまり責める気になれないのは確かなところだ。

どんな人が細田さんを選んだのかと興味が湧き調べてみた。松江市を中心とした島根県の東部が島根1区を形成している。前回の細田氏の得票は9万票だったそうだ。対抗になるのは亀井亜紀子さんだ。立憲民主党所属だが、亀井家は津和野藩の御当主の家柄だそうである。極めて保守的な土地柄で「藩主」を選ぶような感覚なのかもしれない。

会見を見る限り「息も絶え絶え」という感じだった。あくまでも主観なので興味のある人は各自ストリーミングなどで資料を探していただきたい。だが後追い報道を見て驚いた。「次期衆議院選挙に意欲」とか「気持ちが昂っていた」などという報道が並んでいる。

山陰放送を見ると比較的元気な映像が抜き出され「国家と島根県のために頑張る」という細田氏の強い意欲だけが抜き出されている。まるで違った印象になる。

この県連会長の細田重雄さんは1938年(昭和13年)生まれで、細田議長のお父さんの秘書をやっていた人なのだそうだ。同じ細田姓なのだが親戚かどうかはわからない。たんに「オヤジさんの息子」である細田議長を可愛がっているのかもしれない。初当選は56年前だったが前回の選挙に立候補せず14期で県議を引退し県連のトップに就任した。

細田議長の会見を見ていると「おそらく難しい判断をしたり新しい価値観を取り入れることはもう無理なんだろうな」と感じるのだが、その細田氏を支える人たちはいまだに「先代の息子さん」である細田博之さんを支えようとしているということがわかる。

県連によると細田議長は「気持ちがたかぶって」おり「大変元気」だったとのことである。記者会見とのギャップに驚くが、当事者たちの認識は意外とそんなものなのかもしれない。

「おじいさんのおじいさんによるおじいさんのための政治」とはいえ、ご当人たちはまだまだ元気なつもりなのだろう。こうなると、周囲にいる人たちも含めて価値観がアップデートできていないということにも気が付けないのではないかと思う。

本人たちはまだやる気十分だがおそらく新しい価値観にはついてゆけない。そんな細田博之議長の心情がよくわかる発言があった。「名乗り出てくる人がいなかったのだから」という理由でセクハラスキャンダルを全面否定した。性被害はただでさえ告発が難しい。実際に告発した人がSNSで批判に晒されるようなことは度々起きている。にもかかわらず「名乗りでなかったのだから、それは黙殺されても仕方がない」と言っていることになる。

この発言についてはさすがに岸田総理も同調できなかったようである。記者に問われて発言は不適切だと対応したようだ。だが、議長は自民党の所属を離れるため岸田総理の管轄ではなく、従って統一教会問題においても聞き取り調査の対象にはなっていないと朝日新聞は指摘している。

政治の側は子育て中の女性を少子化対応の大臣に据えるなど表向きは「現役世代の味方だ」という情報発信をおこなっている。だが政治権力の中心にいる人たちが感覚をアップデートし新しい価値観に合わせて行けると期待するのは極めて難しいようだ。誰かが被害を受けた可能性があっても「国益という崇高な理想に比べれば大したことはない」「黙っていれば丸くおさまるのだ」というような姿勢をマスコミや野党が突き崩すことができないのは事実である。

総論として体調を崩しても権力欲だけは最後まで残るのだなと感じた。細田博之さんの場合「父親の地盤を引き継いだ正当な後継者である」という自負もあるのだろう。

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