光ファイバーに変えた。今までADSL3Mという回線を使っていた。そこで2Gbpsまで出るというサービスに変えたのだ。実測値で見ると測度が20倍くらいになった。光ファイバーの価格は下がっている。電話を光にすると安くなるので、電話とインターネットをあわせた出費はほとんど変わらない。
正直ウェブサイトの閲覧やメールのダウンロードなどが早くなったという感じはしない。つまりウェブサイトの読み込みが体感で20倍早くなったりはしないのだ。
実際に計測してみると、ac接続できる機器の速度は14Mbpsだった。b/g接続しかできない機器(最大54Mbps)では、11Mbpsと3.5Mbps程度。有線(最大速度100Mbps)でつないだところ42Mbpsという値が出た。なんとなく100Mbpsでてもおかしくない気がするのだが、実際はこんなものらしい。それでも今までの100倍だ。
ちまたに出ているアフィリエイトと思われるサイトには900Mbpsも出たなどという勇ましい記事が溢れているので、数字を見た限りは「なんだ遅いじゃないか」と少しがっかりした
もちろん、ボトルネックは回線速度ではなくパソコンなどの機材の方だということは分かっている。ケーブルもCATR5では100Mbpsにしか対応しないそうだ。(5eは1000Mbps対応)そんなに速い速度でつなげる機器があまりないので、ケーブルの規格など気にした事はなかったのだ。だから、実際に最高のスペックでどれくらい出ているのかはよく分からない。
さて、実際にどれくらいのスペックが「必要」なものだろうか。試しに手元にある640×360のmpeg4動画を再生してみたら転送レートは356kbpsだった。動画でもそんなものらしい。まあYouTubeもHD画像じゃないとイヤだという人もいるのだろうが、正直小さい画面でみると、480pあたりと画質の違いが分からなかった。
高速通信回線の最大のメリットはアプリケーションや重いファイルのダウンロードだろう。40MBくらいあるブラウザーのアップデート版が1分以内にダウンロードできたときには感動した。iOSのアップデートも140MB程度あったのだが、すんなりとアップデートできた。これまではちょっとしたアプリケーションのダウンロードにも20分くらいかかっていたのだ。ブログのバックアップデータも30MB程度あるのだが、これもすんなりとダウンロードできた。これからはiPadにあるビデオなんかをクラウドにストレスなくバックアップできる。
FTPソフトで38MBのデータをダウンロードするのにかかった時間は36秒だった。ブラウザー経由で46MBのデータをダウンロードして29秒。ざっと計算すると1GB程度のデータをダウンロードしても10分程度ということになる。ノートブック版のUbuntuのデータ量は700MBということで、OSのダウンロードが家庭用に取り扱うデータの最大値になるのではないかと思う。
一台のパソコンではそれほどの速度を体験することはできないのだが、回線が太いメリットは同時接続しても速度が落ちない所だろう。どうしてもスピードテストの数字ばかりに注目しがちだが、一台でビデオを見ながら、もう一台でデータをダウンロードするなどといった使い方ができる。
また、ONUとルーターを一体化すると、ボトルネックにならなくなる。そこで、高速回線のメリットを最大限に享受できるということである。サービスの申し込み方によっては、先にONUが来て、別の会社がルーターを準備するなどということがあるようなのだが、一体型サービスを申し込むとこのような失敗をしなくてすむ。
さて、ここまで書いて来て「速度はそんなに出なくてもいいから価格が1/2にならないのかなあ」などと思った。だが、固定サービスは設備の他に回線も整備しなければならない。回線のメンテナンスには膨大な人件費がかかるだろう。だから、光回線の費用と速度はあまり関係しないのではないかと思われる。
そう思って調べてみると、世間的には電波への移行が進みつつあるようだ。固定サービス(光や電話)の需要はわずかながら減っているらしい。固定電話そのものをなくしてしまえば、全体の費用は格段に安くなる。選択肢としては、220Mbps程度のwimaxがある。機器の性能を考えても悪い選択肢ではない。
固定系でもDSLの利用率はかなり下がっているようなのだが、地域や年齢層によっては未だにほとんどの人がメタル回線を使っているなどということもあり得る。住んでいる地域によって、見える景色がかなり違うのかもしれない。