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私はなぜ民主党が嫌いなのか

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特に重要な記事ではないが、なぜ民主党が嫌いなのか書いておく。

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市長が汚職で逮捕され、代わりに出た候補者が清新そうな民主党のの市議会議員だった。そこで「民主党、なんかいいんじゃないか」という期待を持った。

市民系の団体(年配の女性が多い)は、自民党時代には「何でも反対」の立場だったのだが、現市長が民主党系(しかもまあまあなイケメン)ということで「何でも賛成」になっている。財政状態が悪くて大きな建物が建てられないので、福祉対開発という議論が起こりにくいという背景もあるのかもしれないが、いわゆる「革新」の人たちの行動原理って好き嫌いなんだなあと思う。自民党系の人も是々非々でうまくやっているようなので、却って翼賛化が進む可能性もある。首長の人格に依存するようになってしまうのだ。

だが、この好印象は長くは続かなかった。

2009年衆議院議員選挙のとき各候補者事務所を回った。この選挙区は佐倉に事務所を置いている候補が多いので、千葉市内の事務所を訪れることが多かった。田島要事務所はわりと対応がまともだったが、奥野総一郎さんの事務所は対応が悪く秘書の人がなれなれしかった。つまり、第一印象でなんとなく嫌いになった。

奥野さんは「接触した」という理由でしつこくメールニュースを送ってくる。やめろといっても「わかりました」といって送ってくる。だからだんだん嫌いになった。支持者があまりいないんだろうなあとも思う。一区は連合系の大きな事業所があるので組織票頼みの選挙ができるのだが、こちらは浮動票頼みになってしまうからかもしれない。いちど「嫌い」という第一印象がつくと名前を見るだけで嫌悪感が増幅する。人ってそういうものなのだなあと思う。

奥野さんは「羽田にゆく飛行機が上空を飛ばなくなったのは俺のおかげ」と主張している(誰から聞いたかはうろ覚えだが、多分配下の市議会議員だったような気がする)らしい。「いや、あれば森田健作知事が国交省ルートで話をつけたんじゃないの」と思うのだが、もともと嫌悪感があるのでますます「ああ、嘘つきなんだなあ」と思う。

ここまで読んでもらえるとわかると思うのだが、結局「政策がどう」とかいうことはあまり関係がなく、初動の対人コミュニケーションの良し悪しがその後の投票行動を決める。そして一度悪い印象がつくとなかなか覆らないのである。

だが、理性的になって政策的な理由で政党を応援するということもありえなくはない。だが、それもちょっと難しい。

思えば、2009年の民主党の選挙事務所はイケイケな雰囲気だった。ITバブルのころのウェブ系企業に似ている感じがした。その頃は地方分権論に傾倒していたので、それについて聞くとなんだかよくわからない対応が帰ってきた。「ああ、いわゆるバズワードなんだなあ」と思った。この時点では「ちょっとヤバそう」というのは印象に過ぎなかった。

この印象が確かになったのは藤井さん(当時は財務大臣だったと思う)の発言だった。「財源が見つからなかったら謝ればいい」というものだ。深く考えずに選挙受けしそうな言質を垂れ流しているのだと思ったのだ。その後、3代に渡った政権は財務省への傾斜を強め、野田さんの頃にはその傾向は否定できないまでになった。

田島要さんの事務所は政権の3年の間に勢いがなくなり「個人で印象が違いますから」などと言い出すようになった。ああ、もうダメなんだろうなあと思った。

ここで学んだのは「選挙のときにヤバいな」と思ったことはその後本当になるということだ。ちょっとした印象は大切なのだ。だが、2009年当時は「それでも自民党よりはマシ」と思っていて、できるだけ悪い気持ちは持たないようにしていたのだが、やっぱりダメなものはダメなのだ。

個人的には安倍政権は暴走していると思っているので、自民党には退場して欲しいのだが、この時点で多くの人が抱えている「参議院戦を過ぎたらまた政策をまとめるのにゴタつくのではないか」といううっすらとした推測は多分現実のものになるのではないだろうか。

さらに国会議員のごたごたは配下の地方議員たちを動揺させる。彼らは国政政党のラベルで仕事をしているので、彼らのごたごたは国政政党のイメージを毀損させる。

地元の民主党市議が河村名古屋市長と肩を組んでいる写真を事務所に貼りだした。「この人乗り換えたんだ」と思った。地方議員にとって民主党というのは選挙向けのラベルに過ぎないんだということを学んだわけだ。この人は次の選挙で民主党の公認が得られず落選した。次に民主党から市議になった人は「経営する会社の給与をちょろまかしている」という噂が出たようだ。市議会議員は数千人で当選できるために、こうした噂が口コミで広まって、選挙結果に影響を与えるのだ。

国会議員が派閥争いをすると、系列の地方議員に波及するらしい。これが民主党特有の事情なのか、新興政党に共通するものなのかはわからない。想像するに「みんなの党」系はさぞかし大変だったのではないだろうか。

タイトルに「民主党が嫌いなわけ」と書いたが、よく考えてみると別に嫌いではない。議員さんの中にはそれなりに面白い人もいるし、ときどきよい国会で質問も聞く。少なくとも地元は前よりはマシになった。より正確を期すと「あまり期待していないからどうでも良い」が近いかもしれない。

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