物語1
日本は東洋の中でも優れた文明を持つ優秀な民族だ。19世紀の終わりに西洋文明と接触し20世紀の初頭までに五大大国となった。2600年もの続く皇統を頂き民族の心は一致していた。優れた民族性は東洋の諸民族から尊敬を受けており、植民地化を狙う西洋文明から諸民族を解放する使命を帯びていた。
先進的な立憲主義と議会を整え経済は順調に発展した。民族の忠誠心に支えられた軍隊は強く中国とロシアに打ち勝った。西洋の帝国主義とは違った五族協和という崇高な使命のあった東アジアの解放運動も進んだが、中国権益から除外されていたことに嫉妬したアメリカとぶつかることになった。アメリカは狡猾にも石油などの物流を断つ戦略に出たので、中国大陸の解放計画は頓挫した。外交的な解決を図ったもの遂に戦争に追い込まれてしまった。
戦後日本はGHQにより弱体化された。あたかも日本の政体は劣ったものだったという洗脳計画が進んだのだ。GHQはアメリカでも社会主義に洗脳された人たちだった。その後、日本弱体化計画は悪辣な共産主義者の手に渡った。今でも教育界やマスコミには共産主義者が多く、すでに破綻したマルクス主義が日本を支配するという、ありもしない夢を見ている。彼らが狙っているのは判断能力のない子供と、無知蒙昧で意欲のない政治無関心層だ。
日本が経済不調に陥ったのはこうした反日勢力が跋扈しているせいだ。教育とマスコミを彼らから奪還刷れば、洗脳されていた人たちは真実に目覚め、日本経済は本来の活気を取り戻すだろう。
物語2
日本は島国という特性上、西洋からの侵略を受けなかった。このため政体が安定しており、植民地支配や
内戦を免れた。このため、19世紀後半に西洋文明と接触すると20世紀の初頭までに五大大国となった。しかし西洋と対抗するために近代国家の体裁を整えなければならなかったので、明治維新期に古代の神話を元に多くの「伝統」を捏造した。
国民を軍隊に動員する必要があり、しぶしぶ民主主義を導入することとなったが、その憲法は天皇が特典を与える恩典憲法の形を取り、民主主義に致命的な欠陥があった。軍隊の支持がなければ内閣が維持できず、内閣は軍隊をコントロールできなかったのだ。軍隊の独立は統帥権と呼ばれ次第に暴走してゆくことになる。経済は次第に行き詰ったが政治は問題を直視せず党派争いに明け暮れた。第一次世界大戦で混乱するヨーロッパを日本が代替し日本経済は成長していたのだが、その成長が止まったことで経済不調が生じたのだと考えられている。1929年には金融恐慌が起こり悲観論がさらに広がった。
打開策になったのは中国大陸への進出だったが、植民地獲得戦争に遅れたために、先行国と軍事的に衝突することになった。成り行きで始まった成長戦略は行き詰ったが、軍隊は戦争をやめることができず、戦争は消耗戦の様相を呈することになった。
アメリカからシーレーンをを断たれ資源が輸入できなくなると。戦線の維持はいよいよ難しくなった。その多くが戦死ではなく餓死だった。軍隊をコントロールできなくなり、略奪を繰り返すものもあらわれた。本質的に残忍だというわけではなかったのかもしれないが、結果的に各地で恨みを買った。物資不足は国民にも及んだがこれを精神性で乗り越えるべきだという論調が生まれ、国民は国体の為に死ぬべきだという原理宗教的な思想に傾倒した。
戦後GHQは民主主義を強化すれば日本の戦争は防げると考えたが、その姿勢は一貫しなかった。共産主義の勃興に怯えたために、一度は断罪していた旧支配層を復権させた。GHQの一貫しない政策は多くの人の恨みを買う事になった。最初に梯子を外されたのは「民主化」を喜んだ人たちだ。例えば教員組合は反動化し、社会主義勢力と結びつく人たちもあらわれた。もちろん、最初に否定された捏造された日本の伝統を信じる人たちも反発した。彼らは次第にそれぞれの経典を元に原理的な信仰心を持つことになった。
一方で多くの人たちは政治にそれほど関心を持たなかった。経済的な成功していたからだと考えられる。政治無関心層は「政治的に無力で情報にアクセスのない」人たちと「情報は潤沢に持っているが、積極的には政治に関与しない」層に別れるとされているのだが、日本は後者が多いと考えられている。情報は持っているわけだから、誰かに洗脳されることもないのだ。
一方で、市場経済体制を整えた中国に東アジアでの特権的な地位を奪われて経済は低迷した。結果的に政治は安定せず塔派争いを繰り返すようになり、55年体制は崩壊した。しかし、根本的な問題が解決したわけではなく棟派争いは継続している。一方で、国民のほとんどは根本的に問題を解決しない政治には興味を持たなかった。しかしながら、戦後に生み出された原理的な信仰心を持つ人たちを巻き込んた闘争が繰り広げられている。一部の人たちは民主主義そのものがよくなかったと考え始め、別の人たちは自民党が戦争をやりたがっていると考えている。
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