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九段線の次は十段線 中国が「ぼくが考える新しい地図」を発表し周辺国から一斉に反発される

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中国が新しい地図を発表した。九段線に代わる十段線という新しい境界線が入っており南シナ海の9割が自国領ということになっている。フィリピン・マレーシア・ベトナム・インドネシア・インド・台湾から総攻撃されているが改めるつもりはないようだ。地図を見るとマレーシアー沿岸まで波線がある。日本海で例えるならば山陰や北陸のギリギリのところまでを「自分達の海だ」と主張しているように見える。周辺国が反発するのも無理はない。

中国は世界ではアメリカに代わる和平調停者としての役割を果たそうとしているが自国領に対する強い執着心があり地域の悪役の役割を担っている。

これは日本を含むG7にとっては不幸中の幸いと言えるのかもしれない。中国が国際秩序を無視している限り東南アジアやインドなどの国が「あちら側」に寝返ってしまう可能性が低いからである。

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中華人民共和国は「地図さえ作ればその地域は自分達のものになる」と言う独自の世界観を持っているようだ。新しい地図を作成し一方的に披露した。南シナ海の9割が自国領ということになっている。地図には十段線という名前で新しい境界が表現されている。日本海で例えれば山陰や北陸のギリギリのところまで「自分達の領土である」と主張しているように見える。

中国の新地図にアジア一斉反発 領有権主張「十段線」に拡大(産経新聞)

CNNによれば中国政府には「今の地図には問題があるのだから訂正されて当然だ」という認識があるのだという。

中国政府は8月28日に新版の地図を発表した。同国は2006年以降、定期的に新しい地図を公開。誤った国境を示す「問題のある地図」を修正するのが目的だと過去に説明している。

だがその主張は周辺国の意向や国際法廷の判断などを完全に無視している。

フィリピン政府は31日、新しい地図に南シナ海の領有権争いの対象地域を囲む破線があることを受け、地図を「拒絶する」と強い言葉で反発した。同海域は16年に国際法廷でフィリピンに有利な判断が示されていた。

国際秩序を無視する態度は、むしろ日本を含む西側諸国にとっては有利に働くかもしれない。声高に非難をするよりも、従前通りの方向で対立国の立場を尊重し共に国際秩序を維持する方向で援助を申し出るべきだろう。9月は重要外交の季節である。

先日既にお伝えしたようにBRICSにはサウジアラビア・UAE、イランという地域の宿敵同士が同時加盟を果たした。アメリカ主導の国際秩序に反発するサウジアラビアとイランが中国を和平に引き入れることでアメリカを排除しようとしている可能性が高い。今後は基軸通貨ドルに今すぐとって代わることはないにしてもそれに比肩するような金融秩序を作りたい。

その意味では今回のポイントは「周辺国」にBRICS加盟国のインドが入っているという点なのかもしれない。時事通信がロイターの報道を引用して周辺国が一斉に反発したと書いている。

ロイター通信などによると、これまでに少なくともフィリピン、マレーシア、ベトナム、インドネシア、インド、台湾が抗議している。

国際社会での指導的な地位を熱望する習近平国家主席は「立ち話」でモディ首相に対し領土問題の平和的な解決を約束した。だが、おそらくこの約束も守るつもりなないのだろう。極めて不誠実な対応だ。

インドは領土問題を牽制する立場からもアメリカや日本などを自分達にひきつけておきたい。ロシアや中国が熱望するにもかかわらずBRICSがG7に対抗する組織にはなっていないのはこのためである。

福島の処理水の問題で中国政府は「日本が汚染水を海にばらまいている」というキャンペーンをやっている。日本が海洋環境破壊者であるという風評を広めることで国際的な影響力を毀損し自国の影響力を高めたい狙いがあるものと考えられる。だがその延長にはおそらく領土的野心があり東南アジアの国々やインドから警戒されている。

中国の汚染水キャンペーンに対して太平洋諸国に少数の同調者がいるようだが東南アジアからは追随する動きは見られない。中国自身がトリチウム水を放出しているにもかかわらず周辺各国に何も説明をしていないという事情に加えて国際法定を無視した身勝手な自己主張が周辺国から抵抗されていることがわかる。

日本政府も日本の国民をこうした中国の孤立気味の立ち位置をよく理解した上で冷静に問題に対処すべきだろう。9月には多くの国際会議が開かれる。まずはG20に習近平国家主席が出席するかが注目されているそうだ。インドはG20の議長国なのでモディ首相の顔を潰し周辺国を「敵に回した」対価は必ずしも安いものではないのかもしれない。

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