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文字の始まり

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文字は絵文字から始まったといわれることが多い。でもこれはアルファベットに限って言うと、間違いなのだそうだ。暇つぶしに文字はこうして生まれたを読んだ。
この本によると、文字は数えるために発達した。場所は中東だ。財産を数えて記録する「トークン」というものがある。油のトークンは卵型をしている。油10単位を表現するために、10粒のトークンを丸い土の玉に入れる。これにふたをして保存していた。ふたをすると中が見えなくなるので、同じような模様を土の玉に刻むことにした。次第に「中にモノが入っていなくても、表面の土だけがあればいいのではないか」ということになる。この段階で象形文字が生まれる。最終的には音を表現できるようになるのだが、漢字とかなを混ぜるように表音と表意文字があったようだ。
このあたりは民族の交流が盛んだったので、いろいろな民族がこの文字を借用した。西ではアルファベットになり、東ではインド、モンゴル、チベットあたりまで使われるようになった。
彼らが文字を必要としたのは、定住して農業をはじめたからだった。この結果「財産」という概念が生まれる。貧富の差が生じ、権力者が生まれる。灌漑に依存しているので共同作業の必要がある。こうして税という概念が生まれた。税を管理するためにはいろいろなものを数えて記録しなければならない。つまり、官僚システムが先にあって、記録する必要のために文字が改良されたということになる。文字より官僚システムの方が先にあったわけだ。
数えて記録するという事は官僚システムの基礎ということになる。現代では文字を使って数えるだけでは足りずに、コンピュータで記録する。


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