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木原官房副長官に不倫疑惑報道。女性は「認知を拒否された」と主張。

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岸田総理が「解散をおもちゃにした」と書いたところ多数の閲覧者が訪れた。「政権交代を求める」までは行かないのだろうが、岸田政権の求心力がなんとなく落ちていることがわかる。

この「なんとなく」が現在の空気だ。

このままでゆくと「人事で求心力を維持しなければならないのでは?」などと思っていたのだが早くも河野太郎大臣の処遇や小渕優子幹事長対暴論など人事情報が出ている。「それにしても少し早すぎるな」という気がする。この程度の話題では秋まで持ちそうにない。

そんな中、無党派層が嫌いそうな「不倫疑惑」が出た。ターゲットは木原官房長官だ。週刊誌報道はまだ大きく燃え広がるには至っていない。政権側は大惨事にならなくてよかったと安堵しているかもしれない。

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岸田総理は国会閉幕の記者会見で「やる気もない解散を仄めかしたのは求心力を維持するためだった」と認めた。その是非はともかくとして与野党に対して求心力が落ちていることが窺える。求心力を維持するためには矢継ぎ早にさまざまな政策を打ち出さなければならない。仮にそれができないならば「人事」で時間を稼ぐ必要がある。つまり人事は「奥の手」であるべきだ。

読売新聞が早速「岸田首相、夏から秋にかけ内閣改造を検討か…河野デジタル相の処遇が焦点」という記事を書いている。読売新聞は親米・政権擁護なので官邸の意向に従った広報的な観測記事を出しているのだろう。

ただ読売新聞もかなり内容に困ったのだろう。河野太郎大臣についてのみ書いている。岸田政権の「主体」は増税を含めた財政均衡だろう。つまりマイナンバーカードは「尻尾」ということになる。

現職閣僚では、河野デジタル相の処遇が焦点となる見通しだ。マイナンバーカード問題への責任論が一部で浮上しているものの、知名度や突破力から「代役はなかなか見つからない」との評価もある。河野氏は「ポスト岸田」の一角とも目されており、首相が「閣内に取り込んだ方が得策」と判断する可能性もある。

もう一つ浮上したのが小渕優子幹事長説である。新潮が書いている。こちらはやや政権の「核」に近い。ただしその根拠は極めて薄弱だ。要約すると次のようなことが書いてある。

亡くなった青木さんは茂木さんが嫌いだった。一方で小渕優子さんを将来は総理大臣にしたかった。恩のある故小渕総理の娘だからである。青木さんは早稲田OBなので岸田総理も無碍には断れないだろう。公明党も小渕総理と青木さんが事項連立政権の立役者であることから、この話に前向きだ。

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能力や政策の話は一切出てこない。単に縁故(学閥と血統と個人の好き嫌い)の話が延々と続く。つまり有権者にとってはそれほど意味のある話とは思えない。ただ、仮に政権が行き詰れば「初の女性幹事長」はなかなかインパクトのある人事になりそうだ。

人事情報を盛んに流し永田町の人たちを「政局」に繋ぎ止めておかなければならないという苦しい政権運営事情が透けて見える。

だがそれでも「政権交代は面倒だ」と考える有権者が積極的に政権に反対しているようには思えない。どちらかと言えば「このまま面倒を起こさずになんとかやって欲しい」と考えている人も多いはずだ。各社が内閣支持率について調査をすると「他に適当な人がいない」が政権支持の最大の理由になる状態が定着している。

ただ無党派が離反しそうな話がいくつか出てきている。想定される無党派は若者と女性だろう。どれも小粒で広がりに欠けるものの、感情的な要素を含んでおりいったん燃え広がると鎮火が面倒なものばかりだ。

インボイス制度で廃業するかもしれないと声優が涙ながらに訴えている。問題はアニメ業界全体に広がっている。問題なのは「涙」だ。政策にあまり興味のない有権者は詳しい内容を理解せず「政府が(主語は財務省などになるのかもしれないのだが)サブカルをいじめている」と理解するだろう。

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次に木原官房副長官の不倫疑惑が出てきた。「不倫」は女性有権者が無条件に嫌うテーマだが文春のやり方は手が込んでいる。まずは一度木原官房副長官を泳がせる。

木原氏はA子さんとの愛人関係や、B子ちゃんとの血縁関係を否定。あくまでも友人の1人であり、「(自宅訪問やディズニーデートは)都度妻の了承を得てのことであって、なんら不適切なことはありません」などと答えていた。

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そしてその後で「エビデンス」を流すのである。今回はネットで拡散しやすいように「音声付き動画」を制作している。今の所閲覧には220円かかるそうなので内容ではなくタイトルだけが拡散することだろう。文春がどれくらい「砲弾」を準備しているかによって広がり具合が変わりそうである。

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繰り返しになるが日本の有権者は政策にはあまり興味がない。ただ「誰が情報発信するか」には関心がある。少子化対策を訴える広報役の官房副長官は実は「女性の敵だった」という構図にはかなりのインパクトがある。

岸田翔太郎氏の件を見るとわかるように岸田総理の身内切りは常に遅れる。木原官房副長官は岸田氏側近と紹介されることが多い。

木原官房長官はTBSのCS番組に出演し「紙の健康保険証はなくします」と宣言している。また子育てに関しても財源論を語っていた。これが夕方の地上波のニュースで盛んに流されていた。仮に不倫・隠し子の件について後から有権者が知った場合「今までの子育て議論はなんだったんだ」と反発しかねない。つまり政府が熱心に政策をアピールすればするほど「火薬の威力」が増してしまう。官邸は今回の不倫騒動を「あまり騒ぎにならなくてよかった」と思っているのだろうが実はリスクを育てているように思えてならない。

さまざまな不満が燻りつつもこれが政権交代につながらないのは有権者が受け皿となる政党を探しあぐねているからだろう。立憲民主党は小沢一郎氏が新しい派閥(一清会)を作ったと報じられているがこちらもあまり話題にならなかった。

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岸田総理大臣が木原官房副長官を庇うと今度は岸田総理が女の敵だったということになりかねない。「そう言えば息子のことがあった」などと言われる可能性もある。

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