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立花孝志氏が無利子無担保で3,500万円を用立ててくれる人を募集、政党代表権争いでメドがつかず

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立花孝志氏が無理し無担保で3,500万円を貸してくれる人を募集している。どちらも銀行の口座にアクセスができず政治家女子48党(旧NHK党)は資金繰りがかなり難しい状況のようだ。

法務局は大津綾香さんが「党首退任の届」を出してくれない限り代表権の変更を認めないという立場を取っておりそれと「戦うために必要だ」と立花さんは主張している。3,500万円の根拠は銀行にある資金1億7000万円の20%だという。部分部分を聞くとなんとなく筋は通っているのかなあという気はする。だが大津さんサイドからの発信がないこともあり、全体像が全く見えなくなっている。

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立花孝志氏は3,500万円は政党助成金などの1億7000万円の20%であり「仮差押」のために必要な金額であると主張している。しかしそれはあくまでも「仮差押」なのだから立花さんが自由に使えるわけではない。3,500万円が無利子無担保なのは「差押が戻ってくればすぐに返せる」というような意味なのだろうが実際にそうなるのかはわからない。さらに全体の資金計画がどうなっているのかもよくわからない。

立花さんは「私の信用力が担保である」と言っている。「立花さんが全てを把握しているう」ということなのだろう。つまり信じてお金を出しているのだから戻ってこなくても文句は言えないということになる。

一方で大津さんもおそらく資金を自由に引き出すことはできないのだろう。だが、内情がよくわからない。「警察から安全面・捜査内容に支障が出るから止められている」という理由で情報の開示を行なっていない。この「捜査」が何を意味するのかは不明だ。

全体像がわからない中でとにかくお金集めが続いている。実際にお金も集まっているようだ。



現在の公職選挙法には「供託金」という制度がある。政治に参加する意思がない人を除外するためにハードルを設置していることになる。立花さんのような活動が増えると真面目に政治をやりたい人たちが除外され続ける一方でなんらかの「解」を見つけた人たちはやりたい放題ということになってしまう。

既存の選挙制度に恩恵を受けている政党や議会に取っては大きな問題だ。

一度立花氏のお願いを聞いてあげた人の中には継続して応援したいという人がいるようだ。実はガーシー氏のカンパにも130万円以上のお金が集まっているのだという。

立花孝志氏の政党や組織をどう呼び誰がメンバーになっているのかはもはやよくわからないが、この政党や組織には2つの柱がある。

一つ目の柱は現在の選挙体制や政治体制を否定して見せることで「白票投票以外に意思表示の手段がない」有権者の受け皿を作ることである。どのような政治運動を行なってもそれは現在の自民党・公明党に賛成か反対かに集約されてしまう。つまり現在の政治そのものは自分達とは関係がなく従って参加の意思もないという「イデオロギー」を示したい人には選択肢がなかった。つまりその意味で立花孝志氏の政治運動にはイデオロギー的な側面がある。さらに実際に得票を集めていることからニーズもあることがわかる。

それとは別に立花孝志氏の機関・組織には「投資機関」としての側面があるようだ。政治活動には国から政党助成金という「報酬」が支払われる。この報酬を得るためのコストを極限まで削減すれば高利回りの「投資商品」になるという考え方だ。現在の政党助成金のシステムはこうした事態を想定し「政党助成金を借金の返済に充当してはいけない」ことになっているのだが、その運営は党に任されている。各政党とも「自分のハラを探られたくない」という思惑があるため自浄作用が働きにくい。頼みの綱は「信頼」だ。

普通の政党が大きく逸脱しないのは「ゴーイングコンサーン」原則に則っているからだ。政党が有権者の支持を得るためには信頼を維持しなければならない。また有権者も選挙を通じて政治や議会を監視するという建前になっている。ただ立花さんの場合はそもそもが現在の制度へのアンチテーゼである上に、立花さんは「いつでもやめてやる」という立場である。現在の政治評論家がこの動きを政治運動として評価できないのはそのためであろう。民主主義的な前提が成り立たないのだ。

いずれぬせよ自浄作用が働かない以上は立花機関が「停止・清算」になるまでそれが投資なのかあるいは政治資金なのかは明確にならないということを意味している。

司法か警察がなんとかすべきなのではないか?と思う人もいるかもしれない。だが、これは国家権力の政党に対する干渉にあたる。日本が先進国を名乗る以上は絶対に踏み越えてはいけない壁である。世論(マスコミ)か政治(議会)が積極的に関与しなければならないのはそのためなのだがまともなマスコミはこの問題を扱いたがらない。

立花氏は今回の件で「お金が集まらないなら政治活動はやめる」と言っている。過去に何度も「やめる・やめない」発言を繰り返しているため、この言動の真意について考察するのはあまり意味がないのかもしれない。ただ、コンテンツとして依然魅力的で貼ることは間違いがないようだ。

ガーシー容疑者の弁護士費用のカンパでは既に130万円が集まったと立花氏は主張している。カンパに応じた人たちが内容をわかっていて支払っているのであれば立派な「政治活動」だ。寄付者の内心は規制できない。ただ「戻ってこなくてもいい」という人が一定数集まると「みんながお金を入れているから大丈夫なんじゃないだろうか?」と考える人も出てくるだろう。

つまり政治は彼らに取っていまだに魅力的なコンテンツなのだ。ただし、お目当ての弁護士を雇うには着手金だけで500万円がかかるとのことである。つまりさらにお金が必要であるという主張になっている。立花さんはいまだにこの活動に「可能性」を見ているということになる。

裁判所、総務省、法務局は一貫して「巻き込まれたくない」という姿勢を貫いている。このため話し合いによる解決が行われるまでは立花さんも大津さんも身動きが取れない状況に陥る。今回、法務局は「大津さんがやめるという書類を出すまでは代表者の変更は認めない」という立場を取っている。総務省が認めれば法務局も認めるだろうというのが立花さんの見解だがこの根拠は示されていない。

おそらく現在の日本のマスコミはこの問題を「極めて特殊な事例」だと考えているのではないかと思う。だが、アメリカでは規範の相対化が進んでいる。一方の政治家に何か問題があっても「お前はどうなんだ」と言って議論を無効化してしまうという手法である。トランプ裁判ではこの手法が横行している。今回の一連の問題は「今の政治に問題があるのだからちょっとくらいは大目に見るべきだ」という論調なのだから実は同根であるということがわかる。

トランプ氏も「自分は連邦レベルで起訴されたことで支持率が上がる」と主張する一方で、闘争のためには資金が必要だと訴えている。「ニューヨーク州の大陪審が自分を起訴しようとしている」と表明し支援を訴えただけで献金が急増したそうだ。

今のレベルでは「単なるこじつけ」だとしか思われないだろう。一方は共和党という伝統的な政党の話でありもう一方は形もよくわからなくなった小さな新興政党の話に過ぎないからだ。

だがこの動きは早めに「解決」したほうがいいように思える。アメリカの動きを見るとこれが一度全体に広がってしまうと取り返しがつかなくなるからだ。

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