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岸田家の公私混同忘年会の幹事は岸田文雄さんだったのではないか?疑惑

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岸田翔太郎氏の「事実上の更迭問題」が思わぬ方向に転がっている。「あの忘年会の事実上の主催者は岸田文雄さんだったのではないか?」という観測が出ているようだ。岸田翔太郎氏は単に忙しいお父さんの代わりに家族忘年会を仕切りついついサービス精神がゆきすぎたことになる。「本当に謝るべきなのは父親なのに息子を切り捨てた」という指摘が出回り野党がそれに「乗っかる」という構図が生まれつつある。政治言論にこれまでと違った「層」が生まれているようだ。

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この「切り捨てた」発言の発信源はAbemaPrimeのひろゆき氏だ。

当初は岸田翔太郎氏世代だけの写真が出回ったため「息子世代の悪ふざけ」という印象だった。だが「親世代」が加わっていることがわかった。だから「実際の幹事は岸田文雄さんだったのではないか?」というのだ。なのに岸田文雄さんはこれを「岸田翔太郎問題」に矮小化しようとしているという。

ひろゆき氏は「岸田総理は息子を切り捨てた」としている。だが、政権批判は流行らない。そのためひろゆき氏は「面白い」という言い方をしている。令和の政治感覚を代表する「冷笑的な」表現である。つまり「ふーん、息子のせいにするんだ」というわけだ。東スポは「悪ノリで切り捨て」とまとめている。

野党はアジェンダセッティングができなくなっておりSNSの騒ぎに「乗っかろう」とする傾向にある。例えば小沢一郎事務所などがこの「問題」を取り上げている。またリベラル色が強い傾向のある神奈川新聞も「「公邸忘年会」は岸田首相が主催? 政府見解に新たな疑義としている。つまり「虚偽答弁だった」という含みがある。

だがこうした「大人の乗っかり」行為は却って当事者たちをしらけさせてしまうのではないかと感じる。まず、どうせ野党も政権が欲しいだけでしょ?と思われてしまう。さらにいえば「なんか圧が強すぎてイヤだ」という気がする。自己主張されると押し付けられているように感じてしまう人が多い。

当事者の感覚は「ふーん」である。政権交代を求めているわけではない。「なんか大人ってずるいよね」程度の話なのだ。

ひろゆき氏の発言は主に「切り抜き」と呼ばれる短いコンテンツになって広がる傾向がある。今回はこの「総理が息子を切り捨てた」だけが大量に流通することになるはずだ。だが、新聞やテレビでしか情報を取得しない大人たちはそもそもこの手の「切り抜きに」は気がつかない可能性が高い。

ではこの「切り抜き」にはどんな効果があるだろうか。第一に子育て政策で岸田総理が何を言っても「だってあの息子を切り捨てた人でしょう?」ということになる。つまり子育て政策が当事者たちに響かなくなる。さらに仮に岸田総理の政策を応援したいという人も岸田総理を押せなくなる。でも息子を切り捨てたって聞いたよ」と言われると公然と応援しにくくなる。

官邸はこれをどう挽回すべきなのかと考えてみたのだが有効な手段はなさそうだ。そもそもひろゆき氏は批判はしていない。「面白いなあと思って」いるだけだ。この「ふーん」にはそもそも反論ができない。

ちなみに番組も見てみたのだが「ソリューション」も提案されていた。最初に「これは私の不始末でしたゴメンナサイ」と謝ってくれればよかったのだそうである。「何だそんなことか」と思った。ただ今の官邸はこの「ごめんなさい」が言えない。

ライター・編集者の速水健朗氏は「これが問題だと思っている人はいるのか?」と言っている。確かに、政治評論は政策をベースに行うべきものであり、総理大臣の人間性などどうでもいいように思える。確かにそうなのだが「政策については語れなくても道徳的問題なら理解できる」と考える有権者は多い。さらに何をやるかよりも誰がやるかによって「良し悪し」を判断するという国民性もある。おそらくあまり政治に興味がない有権者にとってはこちらのほうが「本質」に見えるのではないかと思う。

いずれにせよ、今まで政治が相手にしてきた人たちと今回反応しそうな人たちは全く感性が異なっている。実は解決策は「スマン、はしゃぎすぎた」だったのである。官邸は「退職日が6月1日までだったのには特別な意図はない」「退職金とボーナスは受け取るつもりはない」「受け取ったが返納した」などといろいろと理屈をこねすぎている。おそらくネットの声に応えたつもりだったのだろう。だが「ボーナスズルい」の彼らはおそらく「よく騒ぐ一部の人たち」である。この一部の人たちにまず脊髄反射的に対応してしまったことによってより多くの人たちに「ふーん、そうなんだ」と思わせてしまったことになる。

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