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結局「岸田翔太郎氏は退職金とボーナスを一度は貰うらしい」よ

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すっかり「国民の不祥の息子」と化した岸田翔太郎氏だが、今度は「どうも一度は退職金とボーナスを受け取るらしい」という話になっている。実はこの岸田翔太郎氏のエピソードの方が選挙に対する悪影響が強いのではないかと思った。「わたしたちと住む世界が違う」と認定されてしまうと後は何を言っても信頼してもらえなくなってしまうのだ。麻生総理大臣が「カップラーメンって400円くらい?」で政権を失ったのと同じ構図である。

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岸田翔太郎氏に対する反発が広がっている。夜の官邸を私物化し「閣僚ごっこ」をやったというのがそもそもの反発の理由である。岸田翔太郎氏は親が総理大臣という「上級国民」であるため「夜の官邸を占有できる」というのが反発の理由である。さらに実は閣僚ごっこをやっていたのが岸田総理とご令室のご親族だということがわかりさらに反発が広がった。

一旦は官房長官から「岸田翔太郎氏は退職金とボーナスを返納する意向である」などと説明された。「ああそういう手続きがあるのか」と思ったのだが、その後で「どうやら一度は貰うらしいよ」という話になっている。一部のメディアでは「そもそも返納の手続きなどない」ために官僚が知恵を絞って返納のやり方について検討するのではないかなどとも伝えられている。読売新聞は既に返納されたと書いている。つまり一度はもらっていたのだ。

国民が怒るのは「結局もらったか貰わなかった」ではない。「一度は貰うつもりだったのだ」という方が問題だ。なぜならばルールを作り運用するのは「上級国民」だからだ。

おそらく官邸側は最後まで庶民がどの程度怒っているのかを過小評価していたのだろう。そのため6月1日まで在職すればボーナスがもらえますよというアドバイスを聞いてしまった。結局「受け取らない」から「一度はもらって返納した」になった。さらに「結局返したんだからいいですよね」と言っている。

田崎史郎氏はこの一連の感覚のずれを「官邸病だ」と指摘し強い懸念を表明している。経験上「庶民との感覚のずれ」がその後の政権の斜陽に繋がってゆくところを何度も見ているからだろう。

ではなぜ「官邸病」が政権の斜陽につながるのか。

一般庶民は「政治は政治家が行うもの」だと考えている。つまり自分達には難しすぎてよくわからないと考える。つまり政策論争には遠慮がありなかなか参加しようとしない。ところが「自分達と比べるもの」があると途端に参加意欲が増す。

Quoraで政治関連のスペースを見ていると「国際問題について書き込む人」「国内政局について書き込む人」「身近な話題になると書き込んでくる人」という3種類の人たちがいることがわかる。おそらく「身近な話題」についてのみ反応する人が数としては最も多いはずである。普段は「読む専門」という人たちが参加してくるのである。

今回も「返納することにしたらしい」という投稿についてわざわざ「どうやら貰うらしい」と親切に教えてくれた人がいる。普段は会話に参加しない「読む専」の人だった。政策系の話には興味を持たない人も政局系の話になると出てくる。そしてそれが自分達の身近になればなるほど参加者が増えてゆく。

このような構造では原理的に政治スキャンダルを政策で挽回することができない。「ムラの監視団」の多くは政策議論が理解できないのだから原理的には浸透しないのだ。おそらく普段選挙に参加しない人も多いはずで彼ら投票に参加すると「大惨事」にになる。そもそも現在の自民・公明政権は「選挙に弱い」人たちを大勢抱えている上に「主流・反主流」という構造があり一枚岩になれない。当然トップが力強いメッセージを発信することなどできないのだからますます政策で挽回するのが難しくなる。そんな状況だ。

この「官邸病」で政権を失ったのが同じ「世襲系」の麻生総理大臣だった。最もインパクトが大きかったのは政策課題ではなく「麻生さんは漢字が読めないらしいよ」とか「麻生さんはカップラーメンの値段がわからないらしいよ」だった。特にカップラーメンが1つ400円するという麻生太郎氏の認識は波紋を広げた。おそらく麻生さんは「たかだかカップラーメンくらいでなぜ嫌われなければならないのか」と考えていたはずである。

「世界のサミットで輝く日本」で一度は支持率を伸ばした岸田政権だが「庶民感覚とズレた一族」という評判で「プラマイゼロ」になってしまった。今後どのような起死回生策を講じるのかに注目が集まる。

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