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FOMCは「引き締め停止」を示唆するが明言はせず

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先ほど5月のFOMCの結果が発表された。市場は「今回で利上げは一旦お休み」という評価だがパウエル議長は「今後のデータ次第だ」とし明言はしなかった。

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声明からは

徐々にインフレ率を2%に戻すのに十分な制限的な金融政策姿勢を達成するために、幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれないと予想する

との文言が削除された。

このため「引き締めが停止される」のではないかと考えられているようだが明言はなかった。ロイターによれば金利据え置きを保証するものではないという。

Bloombergによるとパウエル議長は「文言削減には意味がある」としたものの、情勢は入手するデータ次第だとし楽観視する市場を牽制するような発言をおこなっている。必ずしも中央銀行主導のゲームにはなっておらず、また市場関係者の過度な楽観がインフレを加速させかねないという警戒心も強いものとみられる。時事通信も「様子見姿勢を滲ませた」と慎重な表現になっている。「データ後追いで金融政策を決定する」というパウエル議長の発言を受けての表現と思われる。

このように各社とも発言はさまざまだが「いかなる選択肢も排除しない」つまり「この先どうなるかはよくわからない」ということになっている。

一方で、金利先物市場は6月と7月の会合では利上げの一時停止が行われるのではないかとの予想を織り込んだ。早くも9月には利下げに転じるのではないかという気の早い予想も出ているそうだ。パウエル議長の慎重な発言とは裏腹に市場は希望的観測から楽観的なシナリオに傾いていることがわかる。

FOMC前の円相場は植田日銀が当面は金融政策を維持する姿勢を見せたことから137円台までドルが上がっていたがFOMC後に135円まで円が上げている。ただしドル下落・円上昇はFOMCがきっかけではなかったようだ。

これまで予想されていた動きでありマーケットは粛々と反応するものだとばかり思っていた。確かに株価などの指標がFOMC後に激しく上下するというような現象は起きていないのだが、市場の評価はかなり辛口だったようだ。ロイターが紹介する最も痛烈な批判は「タカでもハトでもなくチキン(臆病者だ)」というものだった。マーケットの対話と一口で言っても一筋縄ではいかないことがわかる。

米連邦準備理事会(FRB)は「タカ派」か「ハト派」の選択を迫られ、結果的に「チキン派」を選んだ。(ブライアン・ジェイコブセン)

なお声明全文はこちらから読むことができる。

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