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結局、党代表騒動における立花孝志氏の「誤算」とはなんだったのか

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Newsポストセブンが旧NHK党の新党首である大津綾香さんの独占インタビューを出している。これを読むと立花孝志氏の誤算が何だったのかがわかる。要するに女性に対しての理解が足りなかったのだろう。状況認知の仕方が全く違っている。

【訂正】最初のタイトルが「結局、党代表選挙騒ぎにおける立花孝志氏の「誤算」とはなんだったのか」になっていました。選挙はやっていないので訂正しておきます。一部外部フィードはそのままになります。ご了承ください。

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Newsポストセブンが【独占告白】旧NHK党・大津綾香党首「立花信者じゃない私だからこそ、お金のことも含めてすべて開示して明らかにします」というタイトルで記事を書いている。

  • ネット広告で「兼業で稼げる」という募集を見て軽い気持ちで応募した。
  • NHKで池上彰氏の「娘役」をやっていた経歴を気に入ったようだ。
  • 党首を引き継ぐと言った意味がわからなかったが、年5%の「取り付け騒ぎ」に巻き込まれて10億円以上の借金を背負わされたことを知った。

その後、立花氏に対する不信感の話が延々と続くのだが、この辺りのことは何を言っているのかよくわからない。ただ「立花氏は単に自分が利用できるピエロが欲しい」「本気で女子が当選できるとは思っていない」というように感じるようになっていったようだ。そこで「自分達が単に利用されているだけだ」ということになり腹を立てたらしい。最終的には「腹を括り」党を引き受けることを決めたというのが現時点の大津氏の認識である。

立花氏と黒川氏の中が悪くなったことについては次のように証言する。もちろん大津氏の見立てでありこれが事実であるという確認は取れていない。

  • ガーシー氏についで当選できる権利があった。
  • だが130万円の活動費を支払うという約束で立花氏が辞退させた。
  • 代わりに齊藤健一郎が繰り上げ当選すると、今度は130万円を支払わないと言い出した。

このエピソードで「立花さんについて誤解していたな」と思うことがあった。

立花さんやその周辺の人たちには何か狙いがあると思っていた。だが、とりあえずその場その場を切り抜けるようなことしかやっていないようだ。「借金を大津さんに押し付けた」のだとも考えていたのだが、それも違うのかもしれない。借金の約束など「後でどうにでもなる」と思っていた可能性がある。どう表現するかは難しいところだが普通の人とは「責任」に対する感覚が違っているといえそうだ。

だが苦情政治の世界ではこれが十分に通用する。

新しく議員になった齊藤健一郎参議院議員にはスピード違反に際して反則切符を拒否していたという騒動が起きており週刊文春に取り上げられている。週刊文春は「立法府に代表を送り込む政党としての遵法精神が改めて問われそう」としているが、おそらく支持者たちは「そうはいっても警察はノルマ維持のためにいろいろやっているのだろう」とあまり「遵法精神」は気にしないはずだ。

これは明らかに苦情政治の特徴である。堀江貴文秘書は早速「それ官僚の嘘つき技法やろ。上は知りません、だけど現場がノルマ設定してクソみたいな交通違反を形式的に取り締まってるかもしれませんが、知らないことにしときまーすって話やろ。。」と苦情を申し立てている。この各論については「そうだそうだ」と思う人も多いだろう。

ここに出てくる男性たちは「とりあえずその場をどうにかしよう」としている。そして、各論に気を取られて議論がどんどん細かくなってゆき「あれ、よくわからないな」となり疲れ果ててしまう。このように議論が細分化するという世界では立花氏は全てのゲームに勝つことができていた。議論をしているうちにどんどん全体が見えなくなってしまうからである。これが苦情政治においての勝てるゲームだ。苦情政治では何かを成し遂げる必要はない。全て逃げ切れば「現状に勝った」ことになる。

ところが大津さんは全く違ったアプローチをしている。まず話の全体を聞いて「どうもこの人は信頼できない」なり、その後で「細かい話が二転三転しているな」と認知したようだ。結果的に「この人は信頼できないな」となり、党首を譲らないことに決めたという順番になっている。つまり認知が他の男性たちとは逆になっているのである。まず全体を見てどんどん大きな全体像を作り出してゆく。これは印象とか直感などと表現されることがある。

そう考えると、そもそも立花氏がなぜ大津氏に党首を譲ったのかということを考えてもあまり意味はないのかもしれない。その瞬間それがいいと思った程度のことであり、おそらくそれ以上の意味はないだろう。

ただし、結果的に認知が全く異なる人を巻き込んだせいで、立花氏の戦略はこと代表権の問題については通用しなくなってしまった。冷静に考えれば大津氏が数々の面倒な問題に対処したり女性候補者たちの面倒を見る必要はない。だから「損得勘定」においては必ずしも合理的な選択とは思えない。ただ、全体として「これが正しい」と思っているのだろう。「なんとなく全体として正しいと思う」という議論に情報飽和戦で勝つことは難しい。

なお、この記事では当初「大津氏が出る予定にしていた選挙」についても書こうとしていた。4月16日公示ということなのでまだ書いても大丈夫だろうと思っていたのだが、現在別の選挙に「急遽立候補が決まった」そうだ。「他の子が親に反対されたので「無理にやることはないよ」と代わってあげたようだ。ということで大津さんは現在選挙期間中ということになる。現在、この選挙には大津さんを含めて4人が立候補している。

お友達のために選挙を代わってあげるというのは立候補の理由としてはかなり風変わりだとはいえるだろうが、これまで選挙に興味のなかった人を惹きつけるためにはこれくらいのことをやらなければならないのかもしれないなあとは感じる。

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