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今週はシリコンバレーバンク破綻の後処理とアメリカのCPIに注目

先週末はFRBのポジションに対しする評価が二転三転し円相場が大きく動いた。現地時間金曜日にはシリコンバレーバンクが破綻し激震が走っている。明けて月曜日には処理の内容が発表される。さらに14日にはアメリカのCPIが発表されるという忙しい一週間になりそうだ。

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今週も引き続き忙しい週になりそうだ。結果的に無事に通過するという可能性もあるが、一応の備えはしておいた方がよさそうである。

まずシリコンバレーバンクだがFRBとFDICが共同でファンドを作るのではないかという話がある。今回の騒動はシステミックリスクは低い(つまり金融危機にはなりそうにない)と予想されているものの感染性は高い(contagious)と言われている。つまり投資家や預金者の不安が高まっておりこれが他の金融機関に伝染しかねないということになる。

イエレン長官もこの線に沿って発言している。基本的にシリコンバレーバンク単体の話なのでシステム的な連鎖はない。だが感染性はあるからその対策はすると言っている。

そもそもシリコンバレーバンクの破綻は預金引き出しによる取り付け騒ぎだった。心理的な影響が大きかったわけだ。

こうした不安を抑えるためには当局がしっかりと保証を約束する必要がある。Bloombergは基金について報じているが詳細は明らかになっていない。これが不十分だということになれば更なる不安が生じかねない。現時点ではシリコンバレーバンクの売り先も決まっていない。

もっとも直近のニュースでは「現在入札中」だが話がまとまらない可能性もあると書かれている。日本時間で13日の記事だが「12日の午後まで入札が行われるが遅くまで発表されない可能性がある」と書かれている。いうまでもないことだが現地時間との時差に注意したい。

もう一つの懸念材料は消費者物価指数だ。雇用統計は見方によって評価が別れる内容だったため「消費者物価指数をみてFRBの動向を見極めよう」という人が多いようだ。こちらはロイターが伝えている。ポイントは「予想を上回った時」だそうだが、一応念のためにロイターのウェブサイトで全文を確認することをおすすめする。具体的なCPIの予想値も出ている。

10日発表された2月の雇用統計は内容がまちまちで、大幅利上げに対する懸念はやや後退した。ただ、CPIが予想を上回れば大幅利上げに対する懸念が再燃する可能性がある。

これらの報道を総合すると次のようになる。

これまでFRBは経済指標をみて金利政策を決めていたが、現実に破綻した銀行が出てきたことで、金融機関への影響も考慮せざるを得なくなった。

より複雑さが増したということになる。

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